2006/01/23

せっせ、せっせ

 一日中手紙を書いていた。
 面白い本を見つけたので、すでに翻訳が出ているかどうか訊ねるために、筆者に直接手紙を書いてみた。
 書いてから、住所がないことに気づいて、インターネットをさまよい続けた。その筆者はすでに10冊ぐらい本を出している人だということがわかり、彼女のほかの本をもっと読みたくなった。
 彼女はユダヤ系のフランス人で、イスラエルの学校で勉強したような経歴もある。書いているのはポーランド移民であった、ユダヤ系移民(フランスとそしてアメリカへの移民)の家族について、また、アウシュヴィッツでの虐殺について、生き残った人々の苦悩について書いている。
 かなり重いテーマなのに、10歳ぐらいの子供を対象に、とてもわかりやすく書かれている。

 ノエミは今学校で「読書ラリー」というのに参加していて、教師が「基準」に合わせて選んだ30冊の本を、一ヶ月でどれだけ読めるか、読んだあとの質問では理解度も計算され、読書量と理解力のポイント争いをする。
 学校で毎日一冊ずつ借りて来る。あっという間に読んでしまって、私が自分用に図書館で借りて来る本も、本人が借りた本も読む。この子は一日中本を読んでいる。そして面白かった、面白くなかったの評価もうまい。

 私が借りて来た本のうち、「今風で、笑えて、挿絵も愉快で、現代の子供の生活にマッチした「嘘つき」という本があったのだが、おもしろおかしくはあってもテーマが殺人と金儲けだったために、「これ、よくないと思うんだ。でも笑えると思わない?」と訊いたら「そんな本は絶対によくない。子供のためによくない」と言われた。

 そして、例のアウシュビッツで生き延びたおじいさんの物語について訊ねたら、「悲しすぎる」という感想だった。とってもよい物語で、心に残るけれども、悲しすぎるのだそうだ。
私もこんなに泣いた本は久しぶりだった。

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