2006/01/17

同期の桜

 夕方から日本語レッスンに行った。大学生は試験の季節。みんな目の下にクマなんか作っているが、ちゃんと出て来るのでかわいい。何か面白いことをしようかな、と思ったのだが、商工会議所のロッカーには面白い物が入っていなかった。

 面白いもの。すごろく、カルタ、カセット、ビデオ、マンガ、雑誌など。
カルタはいいかもしれない。折り紙もロッカーに入れておこうと思う。
ロッカーに頭を突っ込みながら、ほかの言語の先生たちがどんな物を使っているのか、探りを入れてみる。中国語とロシア語と、アラビア語と日本語は、大したものがなかった。みんな自前で教材を揃えているようだ。

 英語はアメリカの英語とイギリスの英語の教師が別々にいて、商業英語、旅行会話、初級から試験で別けられた沢山のクラスがあるので、教師も4.5人いる。職員室で、英語が飛び交っている。

 去年からスペイン語を教えている人が、おととしまで教えていて復帰したばかりのスペイン語教師と口をきかないので「あの人知ってる?」と訊いたら、案の定「知らない」と応えた。スペイン語の先生だよ、と教えたら、きゃあ、と叫んであいさつしに行ってしまった。
 コピー機の前でスペイン語が飛び交っている。

 私がぽつんと一人でいたら、職員室の隣の教室に入って行く私の生徒たちが「こんばんはー、みのりサーン、お元気ですかあ」と声を掛けて通る。
「あー、ロールさん、こんばんは。ありがとう、元気でーす。あなたはあ?お元気?勉強しましたかあ。平仮名を沢山書きましたか。今日は早いですねえ」とできるだけ長ーい会話になるように返事をする。
すると、英語やスペイン語やアラビア語やロシア語の先生たちが「すごい、10回20時間のレッスンでここまで!?」という尊敬のまなざしで見ている。

 平仮名とカタカナ、漢字が入り乱れた教科書のページが、コピー機から流れ出て来るのを見て「すごい。こんなのやってるなんて」と覗きに来る。
実はまだ、カタカナも漢字も教えていないんだけど。

 今日は、「どこへ行きますか」を勉強して、甲子園や大阪城に行った。
「本当に、マンガで見るみたいに、日本の春はどこもかしこもピンクなんですか」と聞く学生が居たので「そうだよ。どこもかしこも桜でいっぱい、ピンクだよ。」と応えたら、みんなが一斉に口を開くのをやめ、夢見心地に日本のさくら吹雪を思い浮かべている顔をした。

 先ほどの男性が「来年、日本へ行きますっ。」と宣言していた。本当は「行きたいです」と言いたいのだけど、まだそこまで勉強していない。

 次回は「JALで行きます」や「恋人と行きます」も言えるようになっているはず。クラスでも「昨日、どこへ行きましたか」などが使えるようになって、もっと楽しくなる。
同僚はいなくても生徒がいるから淋しくないのだ。
それにしても「せんしゅうの すいようびに、わたしは ともだちと びじゅつかんへ いきました」この長い一文が全部平仮名で読み書きできるようになった。脱帽してしまう。

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