2013/03/29

毎日なにかに気付いている。

 3月が終わろうとしている。なのに、フランスではいまだに雪が降っているところがある。イースターを前にフランス中にチョコレートが溢れているというのに、ミーさんは新しいお店をオープンさせたというのに、わたしはまだチョコレートを買いにいっていない。先週の週末は、ベルギーのブリュッセルで行われた、ヨーロッパの日本人女性剣士だけを集めた「春の剣道講習会」に出かけた。ヨーロッパでご活躍のかめ先生はもちろんのこと、千葉からきてくださる鈴木紀子先生にお会いできるのが、もう楽しみで楽しみでたまらず出かけた。女性で七段の先生をまじかで拝見できるのははじめてだったので、とても緊張した。期待通り、楽しくて、ためになる、目から鱗が落ちることばかりの3日間となった。剣友の美恵子さんと協力しあって、先生方にはフランスまでお越しいただくことが、今年の最優先目標となった。
剣友の美恵子さんと、講習会が終わってからちょっと観光


 けっきょく1月から働いたレストランに、3月15日ごろまで通った。その間に、怪我をして休んでいたダミアンが復帰して、前のようにわたしはダミアンの部下として、下ごしらえなどに精を出す日々が続いた。ただ、去年に比べると、少しはランク上の作業もさせてもらえるようになった。タマネギを50個ぐらい刻んでも、泣かなくなった。もっと定期的に働けるようになれば、ひとつの責任重大な部署も一人で任され、ダミアンに命令されていやなことをやらされることもないと思うのだけれど、わたしには中学と高校の授業や、剣道のお稽古や、週末も剣道のために遠征があったりするので、シェフが望むように週5日、昼と夜のサービスに出ることができない。臨時でおさまっているしかない。


 先週はブロワに行って、高田先生の講習会に参加した。朝の5時に出発して、お昼に到着。14時からの講習会には間に合ったけれども、観光はできなかった。帰りは16時ごろにブロワを出るつもりが18時出発になってしまい、途中もうどうしても眠くて車を停めたりもしたので、帰宅したのは午前2時だった。広大な畑の真ん中、暗闇の中で時折稲妻が駆け巡るのに追い立てながら、わたしのおんぼろ車を走らせた。「わたし、こんなところで一体なにやってんだろう?」とつぶやきながら、眠くなったら「気合いの稽古」と称して、雷に向かって叫んだ。車の中で気合いの稽古をするのは、ものすごくいいと、このとき気付いた。よそでは叫べないので。。。

 今週末は明日から、ボルドーの側のベルジュラックという所で行われる、五神の山道場の十周年稽古会に参加する。来週末は、日本人女性剣友仲間五人で作ったチームで、「アルプス杯」の団体戦に参加する。そのあとはちょっとおとなしくしようと。。。。思う。

 剣道が続くのと、日本語レッスンが忙しいので、レストランは5月を過ぎるまでいけないと言った。本当はちょっと悲しいのだけれども、その分家で、家族のために料理している。またパン作りの研究も再開。




 日本行きのチケットはもう買った。京都の町家も、東京のホテルも、奈良の山小屋も予約した。鈴木先生に会いに、千葉までいけたらどんなに素晴らしいかと思う。東京では、出版社の坂田さんや、翻訳を手伝ってくださった、市河紀子さんにも会いに行きたいと思っている。12月に出版された「ジャコのお菓子な学校」の本が、初版で5000冊印刷されたのだが、そのあと1000冊追加、そしてさらに59000冊が重版されることが決まり、昨日正式な連絡を受けた。本当におめでたいことだ。鹿児島で南日本文学賞の最優秀賞を獲得した、姉にあやかって。ノエミも、ヌガロ賞という青少年の文学賞に応募した。こちらは結果待ちだが、おばちゃんとママンに、かなり刺激されているらしい。ノエミも、鹿児島のおばちゃんの文学賞にあやかれたら、励ましになるんだがなあ〜と思っている。とりあえずは、「がんばったら報われる」と、それは、わかってくれているみたい。負けず嫌いのがんばり屋さんだ。




 いつも自信なさそ〜に生きているわたしには、素晴らしい先生方と、励ましてくれる仲間と、評価してくれるシェフと、ついて来てくれる生徒と、支えてくれる家族がいかに必要であるものかと、しみじみに感じる春。まずはいろいろと気付かなければ、直すべきところもわからない。直そうと思ったら直せるところは、きっといっぱいあるはず。そして、がんばったら必ず報われると、信じている。