2006/06/27

ざジズーぜぞー

 サッカーをやっている。うちにはテレビもないし、サッカー好きもいないので、あまり関心ない。でも、日本から「フランス勝ったね、おめでとう」などのメールが入る。ちょうどその頃、ウィンブルドンのテニスで、日本人の女性が健闘中のニュースはラジオで聞いていたけど、わざわざ「日本人がんばってますね、おめでとう。応援しています」などのメールは誰も書かずにいた。けっこう薄情だ。

 親の家で暮らしている時には、《青梅マラソン》も《オリンピックゲーム》も《甲子園》も、盛んに見ていた。親がつけていたから。《大相撲 秋場所》なども必ずついていたけど、私はあれだけはどーも嫌いだ。
 私はなぜかアイスダンスだけは好きだ。
 そういえば海外でも衛星放送で日本の番組が見られるよと、よく人に言われる。
「で?何が見れるの?」と訊ねると《SUMO》と返事が来るので《ちっ》と舌打ちしてしまう。

 余談だが、両親が日本人でフランスで育ったかずし君という少年が、「ちぇっ」と舌打ちするさまが、かなり印象的だった。「ちぇっ」と言うのだ。はっきり声に出して言うのだ。
「ちぇっ」というのは、確かに《舌打ち》の表現だけど、これは漫画などで《音》を表現する時の文字ではないか?擬態語って、書くことは多いけど、あまり声に出して言う人はいないのではないか?マンガで日本語を勉強する若者の落とし穴だ。
 《ちぇっ》というのは《ごっくん》とか《しくしく》みたいなものではないだろうか?《しくしく》とか《さめざめ》と言いながら泣く人なんていない。ちなみに《ちぇっ》は広辞苑に載っていなかった。擬態語なんだろうか?それとも擬音語?(問題提起、宿題とする)

 本題に戻る。
日本の芸術家やスポーツ選手の活躍を、テレビやラジオで訊くことはほとんどない。
音楽方面での日本人の活躍は目覚ましいと思う。ラジオで音楽番組を聞いているからだろうか?
でもスポーツ界の日本人の活躍は、ほとんどきかない。アイススケートと、スキーのジャンプはとても優秀よと、誰かにきいた覚えもある。そういう公式の試合で日本人を応援しないのは、わたしって薄情なんだろうか?《相撲》を見ないのは、よくない日本人の証なんだろうか?

 この前インターネットのラジオ(http://www.nhk.or.jp/nhkworld/japanese/index.html)で相撲の中継を聞いてみたら、一番強い関取は韓国人だった。相撲界はハワイ人だけではなくて韓国人にまで乗っ取られているとは、知らなかったのでびっくり、ちょっとがっかりした。
 《がっかり》の瞬間に、ささやかな愛国心が生まれた。(?)

 フランスサッカー界のホープ《ジズー》は、私でも知っている。とても控えめな彼は、あまりマスコミでも口を開かないし、口を開くとみんながほろりと涙を流すようなことを言う。ボランティアとか、チェリティーとか、そういうことにもたくさん参加しているみたいだ。一度彼がプレーしているのをテレビで見た。
 あれよあれよと敵のゴールへ向かい、ひらひらと飛ぶように芝生の波間を泳いでいた。いつも真剣で、厳しい顔をしているのに、ボールにはとっても優しいんだろうねえーと思った。ボールのほうが彼を好きみたいだった。もうすぐ現役をやめるらしい。惜しまれてやめられるのが潔くてよい、と私は思うけど、ちょっと勿体ない。

 サッカーの試合の日は、テレビやラジオをつけなくてもわかる。試合前に、トリコロールの国旗を翻しながら、若者たちが車で走り回る。
 試合が終わると、ご近所から一斉に声が上がる。
勝った場合には、試合終了の数分後に、クラクションを鳴らしながら、(たぶん国旗も翻しながら)走り回る車の数が増える。
 決勝に近づくに連れて、走り回る車の数や、路上での騒ぎが増える。

 みんなにとっての、眠れぬ夜。
時差があるから、日本のみんなには大変だ。

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