2006/06/19

スイミング・プール

   降るぞー降るぞーと言われているのに、ぜーんぜん降らない。

ラジオのニュースによると、各地のダムや貯水池の水位が、7月後半並みらしい。

この辺でどどーと降ってくれないと、7月も8月も完璧に水不足だ。

それにしても暑くて、子どもたちがぐったりしている。

 前から気になっていたビニール製のスイミングプールを見に行った。

見てしまったら、やっぱり欲しくなった。

 高さ30センチ、直径が150センチのカラフルなプールを買った。

ゾエが昼寝している間に、空気入れ用のポンプを探すのが面倒くさくて、廊下に座って自力でプールを膨らまし始めた。全部で4段膨らまさなければならない。

 2段目まで膨らましたら、汗が流れて来た。3段まで膨らましたら過呼吸で気分が悪くなって来た。死にそうーと言いながら4段目まで行った。執念だ。

 プールを中庭に置いたら、中庭がぐっと小さくなってしまった。さて、水を入れねば。

はっ!世間様は水不足を警戒して、節水が呼びかけられている。。。どうしよう。。。

 よっしゃ、母はやるぞ。

 庭にまわって汲み上げ式の井戸ポンプのとってをつかむ。バケツには10リットルのラインが入っている。とりあえず5杯を目安に、汲んでは運び、汲んでは運んだ。水はこぼしていないのに、私はびしょ濡れだ。でもバケツ5杯ではプールはただの水溜まりでしかなかった。

 よし、あと5杯ね。でも先は長いねーと思いながらも、せっせと井戸の水を汲んだ。早くしないとゾエが昼寝から覚めてしまう。

 10リットルのバケツを10回運んだが、いまいちプールらしくならなかった。ゾエはまだまだぐっすり眠っているが、ノエミが帰って来る時間が近づいて来たので、15回を目安に、妥協することにした。

 「ゾエちゃーん、あんまりたくさん寝ると、今晩も夜遅くまで寝付けないよー」無視された。「プール膨らましたよー」と耳元でささやいたら、がばっと起きて素っ裸になって出ていった。

井戸水プールは20度しかなくて、ゾエはブルブル震えていたが、いちおう遊んでいる。

 ノエミは今日一日またボート実習で、帰って来たら顔がひやけで真っ赤になっていた。ブルブル震えながら、顔をつけて喜んでいた。

「でも、これじゃあ、あんまりプールって感じじゃないよね」

親の苦労も知らずに、水が少ないと訴える子どもたち。

「うちには井戸がある」と太っ腹になっていたために、じゃああと5杯ねと言って水を運んだ。子どもたちは大喜びしている。

 先日、JPはテラスにブランコを下げたので、ノエミはブランコで身体を温め、プールで冷やすという遊びを考え出し、夕方遅くまで仲良く遊んだ。

 その夜、ものすごい風が吹き荒れて、雷が鳴っていた。ずっと稲光で空が明るく、なかなか眠れなかったので、夜中に部屋を暗くして、窓のそばに1時間くらいいて、空を見ていた。夜の間に気温がぐっと下がり、湿り気も感じたが、雨は3ミリしか降らなかった。

 翌日、3ミリの雨で汚れたプールの温度はぐっと下がり、子どもたちはプールに近づかなかった。ボボがプールの外に縄張りを貼ったので、臭い。JPはプールの水を、トマトとヒマワリとトウモロコシと、芝生に撒いた。

200リットルの汚れた水は、これからしばらく放置されて、水まき用の貯水池となるだろう。

ああ、悲しい。

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