2008/09/22

スピード違反

 車の運転が好きだ。
運転しろと言われれば、どんな遠くまでも運転する。
セネガルにいたころは、四輪駆動も運転していた。あのころはタイヤだって交換してたし、タイヤが砂にはまっても、へ一ちゃらだった。(もうできないだろうなあ)
 保険会社の安全運転講習会にも行ってる。スリップした車を2回転させたあと、進行方向に向かってまっすぐ停止させて、エンストせずに再発進させる技だっていちおう習った。(でも実際の事故ではエンストしちゃったけど)

 JPに言わせると、わたしはスピード狂なんだそうだ。そりゃあ、出血多量で貧血してるダンナや、テラスで滑って、お椀ぐらいのたんこぶを作る娘などがいると、どんなカーブも恐れずに、30分掛かる農道でも、15分以内で走れなければならなくなるノダ。

 市街は30km/hから50km/hぐらいで走らなければならない。当然だ。自宅は大通りに面しているが、学校のそばなので制限されている。そこを時速100kmでつっきるオートバイなどがあると、そりゃあ腹が立つ。
 高速道路は晴天時、最低110km/h、最高130km/h。
雨天時は90-110km/h。
しばらく前に空港までお客さんを迎えに行った際、ミーさんの車に便乗したら、6速で150km/h出していた。飛ぶように走る。(そして気持ちがよろしい)途中別れて自分の車で、待ち合わせをしたミーさん宅に行ったら、ミーさんが到着しておらず、5速しか出ないわたしのほうが早く着いてしまったので、ミーさんがびっくりしていた。わたしは近道だって知っているのだ。でも、道はよく間違う。道は、高速道路よりも、田舎道のほうが好き。だから本当はのんびり走るのだって好き。坂道発進だって上手なんだから。フランスでオートマチック車というのはとっても珍しい。レンタカー屋さんにも置いてないことが多い。知っている人でオートマチックに乗っているのはJPのお母さんぐらいだ。
 
 地図は読めない。方向音痴。だから、遠くに行く時にはJPが助手席で地図を開いて、わたしが運転する。こういう時には、わたしはちんたら走る。JPが横でうるさいので。家族の安全は大事。後ろに乗っている子供にも、必ずベルトを締めさせてきた。子供にベルトを強制できない親は、無責任だと思う。

 先日商工会議所で会議があった日、午前中ゾエを友人宅に預けていたのだが、迎えに行く約束の時間に遅れてしまった。会議室で一番奥に座っていて、抜けられなかったのだ。なのでわたしは、市道も県道もブッチギリで走ってしまった。我を忘れて走った。ただひたすらにまっしぐらに、ただただ走った。
 《我にかえる》という言葉が聴こえたとき、自分がどこにいるのか一瞬わからなかった。じつは、今でも、あの日の、約1km分の記憶がない。《我にかえったわたし》は先ほどスピードに注意せずにレーダーの前を通過してしまっていたのだということに、いきなり気づいた。70km/hに制限されている一直線道路で、この先そのまま走ってたらレーダーに引っかかるんだよ〜と親切に表示のある場所。レーダーの隠れている五本目のプラタナスの木には、ちゃんと誰かが描いてくれたマークまで入ってるのに〜〜。その100メートル前で車線変更もしたはず。いつも、その車線変更でスピードを落とすことになっている。
「レーダーの前を通過したとき、いったい何km/hぐらい出てたんだろう?」と思いながら帰って来た。

 さてさて、その二日後にはスピード違反の請求書が、こともあろうにJP宛に届いてしまった!
車はJPの名前なので。。。ちゃんと車のNo.などなども、読み取ることができるとは優れものだ。
 68ユーロ払ってください。
15日を過ぎると45ユーロ加算されます。
45日以上支払いがない場合は108ユーロ加算されます。
こんなことならもっと記録的な数字で違反になればよかった。。。と思うぐらい「こんだけ?」の違反だった。(アンタ、そんなこと言って)
「通過時のスピード 77km/h」
もっと飛ばしてしまったのだとばかり。。。50キロオーバーでも一律68ユーロなんだろうか?請求書は税務署からの直通だった。

 JPが黙って小切手を切った。彼が《黙って》いるというのは、とっても怒っているということだ。(うれしい時も黙ってる人だけど)

 ところで通知の紙の下のほうに「免許の点数が引かれるますヨ」と注意書きがあるのだが、免許の点数が引かれるのも、JPなんでしょ〜か。だったら助かるにゃ〜。JPはどうせ車には乗らないんだから。

 「ガソリンも、違反も、車を遣わないおれが払ってる。点数まで引かれた。売ってしまおう!」と言われる日が近い。そんな日はいきなり来るだろう。相談なしで。意見を言う間もなく。

 ノエミが横で「車の代わりに馬を飼おうよ」と父親を誘っている。
あぶない、あぶない。 

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