2008/09/29

栗はまだ














 秋空が気持ちよかったので、日曜日は森に出掛けた。
栗がそろそろ?と思っていたのだが、栗はまだまだ!だった。
ひたすら歩き、ただひたすら歩き、カロリーを消化し、肺と脳みそを浄化し、子どもたちと植物観察や、動物のフン観測をし、ボボを走らせ、ノエミを走らせ、ゾエがぐずり始める前に、駐車場まで戻って来た。夕日は落ちていなかった。
 前からおしゃれなカップルがこちらに向かってくる。おしゃれな犬を、森の中でさえ歩かせず、大事そうに抱っこしている。
「チャペルまで遠いんでしょうか?」とわたしたちに訊いた。
「10分ぐらいですよ。いってらっしゃい」
とJPがカップルと犬を送り出してから、子どもたちはプププと笑って、「30分は掛かるよね〜」と小さな声で言い合った。
 「のぼりは30分。くだりは10分」
JPは、自分は嘘はついてない、と言い張っていたが、子どもたちは「パパはうそつき〜」と笑い合っていた。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 月曜日には、いつもの通りジョギングを。
考え事をしていたので、途中ボボが居なくなっていることに気づかなかった。おろしたての筆みたいなボボの白いしっぽが、草っ原の蔭に見え隠れしないか、じっと目を凝らし、耳を済ませる。
 朝日に向かってまぶしいので、ひさしの代わりにかざした左手の、腕にはめたスワッチの時計が、チッチッチッと規則正しい時を刻んでいて、とくとく波打つわたしの心臓に「落ち着け、落ち着け」と言っているようだ。
 朝ご飯を探して飛び回る鳥のにぎやかな声と、遠く、遠くを走り去る通勤の自動車の音が聴こえる。
何十メートルもの丘の、ずっと下のほうに、ウサギのようなものを追いかける、ボボに似た小動物が見えたような気がして、そちらをじっと見つめると、おろしたての筆のようなしっぽが、草の蔭を行ったり来たりしていた。
 困るなあ〜。
いま登って来たばかりの丘を、降りて行く間に、ボボはどこか違う所に行ってしまうかもしれない。
 叫ぶ。
が、無視。
反応、なし。
ど〜しよ〜。
 しばし、その場でじっとしていた。ジョギングを続けるべきか、いま来た道を帰るべきか。丘を土手から駆け下りるか?
決心して、道路のほうに戻ろうとしていたら、ボボが、草むらからにょっと出て来た。
叱ってやるべきか、はたまた、褒めてやるべきか。
 
 「帰るよ〜」
帰る途中でもまたボボが行方不明になってしまい。さっき叱っておかなかったことを後悔するのであった。。。

 こんなボボを、旅行中にいったい誰が面倒見てくれようか。悩むなあ〜。 

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