2005/09/07

ストレスの溜まらない散歩

  二日続いた大雨の間に、身体がさびたような気がする。ボボも子どもたちもあまりにも退屈している。本日は水曜日、学校はお休みなので、歩いて1分の公園へ。いつもの晴れた朝同様、ボボ同伴のお散歩に行く。

(じつは、私たちがボボのお伴)

 ジャン・ジョレス公園といって、労働者のために闘った、カルモー生まれの政治家の名前がついている。公園の目の前の幼稚園と学校も、彼の名前がついている。

 ペタンク場5コートと、遊具のある児童公園のほかに、森・林・花壇・芝生・壊れた噴水と崩れそうな藤棚がある。レンゲソウの首飾りが沢山作れる場所もある。ボボ専用トイレもある。動物トイレ用砂場に用を足す芸のある犬は、うちのボボだけだからこう呼んでいる。橋もある。ベンチが30個ぐらいはある。戦争被害者の慰霊塔もあって、そこではたまに、アラブ人の若者がヴァイオリンを膝に立てて弾いている。居たらゾエが踊る。頭でっかちのジョレス氏の胸像もある。すれ違う人が居ないのは、広いせいではないだろう。田舎の人は自宅に大きな庭があるから、公園を歩いたりはしないのだ。うちの庭は小さく、テレビもないから散歩に出る。

 ダニエル家の庭と呼ぼう。

   子どもたちは公園を一周する間に、松や杉の木に登っている。木の付け根に開いた穴に、頭を突っ込んでいる。キノコを発見して騒ぐ。泥にはまって泣く。大きなどんぐり発見。「リスの二日分の食料だ」と言って穴を掘りはじめる。拾った小枝を振り回す。後ろ向きで歩く。ボボの足を踏む。ボボが暴れて私が転ぶ。転んだ私が叫ぶ。キツツキ・カラス・ハト・リスが四方からやって来て、八方へ飛んで行く

 リスは格納穴のどんぐりに気づかなかった。

「しまった、葉っぱかぶせすぎ」ノエミが焦る。

 ゾエは陰陽のまが玉みたいな、茶色と白のまだら模様の栗を拾った。「病気なんじゃないの?捨てなさい」といやな顔をすると、ノエミが来て「まだ成長段階で、色が出来上がっていない」などと難しいことを述べ、どんな栗の木になるのかなこれ、と言ってポケットに入れる。鳥の羽は気持ち悪くて、自分では拾いたくないので、ゾエにうまいこと言って拾わせている。

 ゾエはカタツムリの前から動かない。エサはないか、エサはないか。

 公園の入り口でブルドーザーが穴を掘っていたので救われた。ゾエはブルドザーに目がない。カタツムリはあっさり見捨てたが、今度はブルドーザーから離れられない。しまった、エサを間違えた。

 公園の前は避ける。あの柵内はブラックホールだ。一度入ったら出られない。子どもたちが吸い込まれてしまう前に、先手を打って「あっちにきれいな花が咲いていたよ」などと言う。お花畑もまだまだエサに使える。

「ママンがバック転をやって見せるよ」もエサになる。

 母は芸がなけりゃあやってられない。

 自宅から往復2分の公園に行ったはずが、往復2時間も掛かってしまった。時間と気持ちの余裕がない日は、家のドアを開ける時にみんな泣いている。叫んで叱って、へとへとで、引きずられて尻を叩かれて、恥ずかしくて、暑くて寒くて、足にまめができて、トイレに行きたくて、などなど。。。

 今日のお散歩では、ストレスは溜まらなかった。

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