2007/04/17

寿司屋で寿司なんて、ん年ぶりっ!

 新学期始めての日本語レッスンの日。
春休みに宿題をいっぱい出してあったので、その応え合わせを一時間ぐらいやった。
 エレン(の)さんは、仕事が忙しくて、日本語のレッスンがあることさえ忘れていたため、レッスンの小道具一式を自宅に忘れたまま、仕事場から直行していた。
 フランソワくんは、高校に行くよりも日本語レッスンに来る方が好きっ!という男子学生なので、宿題は全部やったうえに、遅刻もせずに登校。彼はいま《月光仮面》に走っていて、わたしにYOUTUbeで月光仮面を見ろ見ろとしつこく言っている。ちょっとそんな暇がない。それはこれこれ http://www.youtube.com/watch?v=nJr2aQb35_Y
カワイイ男子である。2メートルを超えているけど、わたしよりも軽そう。ヘアースタイルはレゲエの人みたい。

 それからフランソワくんは、ヴァカンス前のレッスンのとき「小さい子供は絶対に好きですから!先生の子どもさんにプレゼント」と言って、ファーズムを持って来た。詳しくはファーズムの卵。ファーズムというのは、棒っきれの形と色をした、カマキリみたいな虫で、卵5個をもらったはいいけど、1個につき10匹ぐらいが生まれるらしいので、ちょっと怖い。害虫ではないらしいので、生まれたら森に捨てにいくつもり。でも、5個の卵から500匹生まれるシーンを想像して、ちょっと怖い。
ファーズムの写真 http://lemondedesphasmes.free.fr/spip.php?article162

 もう1人のエレン(ぎ)さんが、今日が43歳の誕生日だというので、「授業を早く終わって、レストランで勉強しましょう」と提案した。いっしょに勉強している娘さんのフォスティンさんが「レストランに電話しました」と元気に言っている。予約のこと。

 レストランと言っても、どんなレストランでもよろしいというわけではないのだ。日本語のレッスンをやってて、日本人の先生を伴って行くなら、寿司屋に決まっている。というのがエレンさんの主張。寿司屋なんて、アルビにはないよ。
「アラー、わたしの車ですっ飛ばせば、45分でトゥールーズよ」 
エレンさんは、元気だなあ。。。わたしだったらトゥールーズの入り口まで1時間半も掛かる。街に入ってから目的地まで必ず3時間以上は巡る、わたし。

 暴風雨の中、エレンさんの巨大な四輪駆動のBMWは、160キロですっ飛んだ。ちょっと怖かった。
途中で改造車に乗った、いかにもヤクザなお兄さんが横に並んだ。窓ガラスを開けてニンマリと笑ったので、「ああ〜これはまずい」と思ったら、案の定エレンさん、ビューンと追いぬいてしまった。ヤクザなお兄さんが、腹を立てて後ろから追っかけて来たらどうしようかと思って心配していたけど、お兄さんの車はみるみる小さくなってしまった。

 や、わたしも飛ばすけどさ、わたしの車じゃ140キロ出したらハンドルがぶるぶるしてくるけど、エレンさんのBMWは、やっぱー速いねえ。行きは嫌な予感がしていたから「わたしは身体が小さいから後ろでけっこうです」と遠慮して、フランソワさんをむりやり前に乗せたが、帰りは、若者同士で積もる話もあるというフランソワさんとフォスティンさんに、後部座席を譲らねばならなかった。

 ところで、エレンさんの連れて行ってくれた寿司屋は、満員御礼だった。鉄板焼きのテーブルとか、活き作り用の魚を泳がせておく大きな水槽もあって、何やら日本レストランっぽい。天ぷらの上がり具合と刺身の切り方は、うちのお父さんの方が上手だなあと思った。
 
 板前氏は「万歳」という鉢巻きをきりりと締めた、インドネシア人かベトナム人か、台湾人か。。。日本人じゃないアジア系だった。働いている人もみんなハッピを着て鉢巻きを締めていたけど、みんな日本じゃないどこかのアジア系移民だった。まあ、フランス人じゃないのにフランス料理を作る日本人だっているし。。。
 にぎり寿司と巻き寿司はおいしかった〜〜〜。あ、しまった。いなり寿司を注文するのを忘れてしまった。
マッシュルームの入ったみそ汁が面白い味だった。でも、味噌の味だったから許す。
しょうゆも、わさびも、大根おろしも、ピンクのガリもあった。

 エレンさんのお誕生日だから「招待」と言われてもやっぱりちゃんと自分たちで払おうねと話していたのに、エレンさんは「ちょっとお手洗いへ行きます」と言って席を立ち、お勘定まで払って来てしまっていた。かっこいいオンナであるなあ。。。

 トゥールーズの街は12時を過ぎても大にぎわいだった。こんな夜中にダンナも子どもも抜きでほっつき歩いたのは本当に久しぶりだった。エレンさんは何カ所も信号無視をしつつ、ああっという間に中心街を離れて高速に乗り、何十台も追い越したけど、誰にも追い抜かれず(そういえば料金所で並んだ改造車の兄ちゃんだけだったなあ)、ああっという間にアルビに帰って来た。

 台所で洗濯物を洗う、しがない主婦の日常を脱した、面白い夜だった。

 わたしのお誕生日の時には、自分で巻きずしとみそ汁を持って、レッスンに出かける、つもり。

1 commentaire:

Gravos a dit…

Dans ton article tu indiques l'adresse d'un site sur les phasmes. Nous élevons des phasmes et actuellement il ne me reste que des Baculum thai. Si tu le souhaites je peux t'en donner.

Philippe labbé