2008/04/28

自転車

 先日、ナルボンヌから帰って来る途中で、家族ケンカのせいで車の中があまりにも加熱してしまったためにーーそうとしか考えられないーー、走る気力をなくしちゃった我が家の自家用車。彼女は(フランス語では自動車は女性名詞)まだ我が家に戻らない。国道の非常用電話で呼んだトラックが運んでくれたのは、行ったことも聞いたこともないような田舎のガレージで、普通ならば貸してもらえる臨時の代車の用意もなかった。なので、私たちはタクシーでカーモーまで帰った。

 フランスでタクシーに1時間以上も乗って、こんな遠くまで送ってもらったのは、生まれてはじめてだ。100ユーロぐらい掛かってしまった。(タクシー代は保険で降りる。ほっ)自宅に帰って来たら、郵便箱がいっぱいになっていて、そのなかには(待ちたくないけど)お待ちかねだった、先月の電話料金の請求書も来ていた。先月は日本にたくさん電話したので、例月の10倍も払った。普段滅多に電話を使わないんだから、まあ、良いんじゃないのと思う。JPは今のところ何も言わないが、
 「電話代で消える金で、日本に帰っておいでよ」
と言わないかと思って待っている。

 車の故障と請求書に対面する以前に、すでに、
 「今月は赤字だな〜」
と思いながらバカンスに出掛けていた。のだけれども。。。
ナルボンヌで思いがけず、お小遣いをもらった。ほほお〜
お誕生日と言えば、おこづかいなのであるのであるう〜〜。

 数年前まで義父母はお誕生日にいろんな物品をくれていた。フリーマーケットで買った骨董品とか、今流行の小型家庭電化製品とか、義母のへんな趣味の装飾品とか。。。
 そういったものの多くが、いかに無駄で、あげるほうの希望に添うことが難しく、ときに狭い我が家には邪魔だったり、子供のいる家庭には迷惑だったりすることも、考えられるんだよな〜、ということが、10年以上掛けて理解できた、らしい。
 三年前に築百年以上の古い町家を買ったわたしたちには、必要なものが溢れている。なので、この頃は「家のものでも買いなさい」と言ってお誕生日やクリスマスや、いろいろな記念日に、お金をくれることが多くなった。誕生祝いで板や工具を買ったりしてきた。でも、毎回お金ってわけでもない。もちろん、そこは、それ、フランス人なので、できる時だけ、もちろん。お金をくれる時には、当たり障りのない小さな記念品もいっしょに添えてくれる。フランスではお祝いごとにお金をやりとりすることは習慣としてはあまりないので、お金を渡すのはいけないことのように感じるようだ。小切手切って、ハイよと渡す人もいるが、うちの義父母はちゃんと封筒に入れて、カードに「好きなものを買いなさい」とひとこと添えてくれるので、人情はある。
 
 誕生日だからといって、いつもいつもお金がもらえるわけではないから、あまり期待してはイケナイ。今回も「まあ、だったらいいな〜」と、思ってなかったヨと言ったらウソになるけど、なにせ、今月末が赤字なのはわかっていたので、ここのところ毎日「お金が降ってこないかな〜」と祈っていたのは確か。「お金が降ってきました。ありがとう」のおまじないも、ちゃあんと唱え続けていた。   
 宝くじを買おうかと思ったほどなのに、宝くじを買う小銭さえ勿体なかったので、まあ、運を天に任せて、月末が静かに過ぎ去ることだけを祈っていたのだ。お金が足りてる時でも、余ってる時でえも(滅多にないけど)宝くじを買うような勇気(?)はない。わたしは人の運はついてるけど、金運にはそっぽを向かれていると、ずいぶん昔から気づいている。

 と、いうわけで、お誕生日にお小遣いをもらって、赤字を切り抜けたのだ〜〜。
感謝感激。ありがとう、メルシー。グラシアス。ダンケシェ〜ン。

 自宅に帰り、子どもたちは改めてお祝いの絵を描いてくれ、JPは、夜中にこっそり台所で何やってるかと思ったら、ケーキを焼いてくれた上に、台所に盛大な花束も飾ってくれていた。

 歳をとるのも悪くないなあ〜。

 自動車は戻らない。なので、自転車で活動している。
このまま自動車は、ガレージで面倒見てもらえないものだろうかと思うほど、自転車のある暮らしは楽しい。
身体に優しい歳にする。つもり。
ゾエがJoyeux Anniversaireは長過ぎて書けなかったから、Bonne Anneeにしといたからね、と言って、習いたての筆記体でBonne Aneneee と書いた紙を持って来た。金色のドレスの女が激しく踊っている絵付き。
「良いお年を」の意味。その通りなのでヨシとしよう。

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