2010/09/01

パリでの夏休み 四日目

 四日目は、地下鉄でルーブル美術館に出かけた。
ここでも、前もってチケットを先取り購入してあったおかげで、土砂降りの中、ガラスのピラミッド前の行列に並ばずに済んだ。わたしたちは地下鉄の通路から出るとすぐの屋根のある場所から、濡れる暇もなく時間通り入場できた。
 ルーブル美術館に朝一番に入る人たちの目的は何かと言うと、モナリザと正面から向かい合うこと。

 わたしたちははや足で。でも、たくさんの人たちが走って、まっしぐらにモナリザが展示されている部屋に向かう。モナリザが飾られている所のすぐそばに、まずは、サモトラケのニケの像があるので、つい、人びとの足が鈍る。写真も撮ってしまう。サモトラケのニケの像は、入り口を入って角を曲がった所に突然あらわれる大階段の上に、羽を広げている。ルーブル美術館で朝一番に、《目標》であるはずのモナリザに向かう通路に立ちはだかっていて、かなり衝撃的だ。

 朝一番に来たおかげで、モナリザをじっくり鑑賞することができた。真っ正面で見た。モナリザは今、レオナルド・ダビンチの《最後の晩餐》と向かい合っている。前に来た時には《最後の晩餐の謎に迫る!》と題された展示をやっていて、最後の晩餐に関する絵だけを集めた大広間に、《最後の晩餐》と、《最後の晩餐の実物大レントゲン写真》が向かい合って展示されていた。どうやら、ルーブル美術館は、日々変化を遂げているらしい。モナリザの絵も前よりいっそう頑丈な箱みたいな額に入っていて、薄暗くてよく見えない。
 「観光客の後ろ姿が写っていない、真っ正面のモナリザの写真撮っておいてね」ってJPに頼んでおいたのに、「そんなミーハーなことができるか!」と言って、写真を撮ってもらえなかった。くやし〜。

 今回わたしたちは、ルーブル時術館でモナリザ以外の絵を無視した。ルーブル美術館は、丸一日掛けても、ほんの一部しか見ることができない。1995年に従姉妹たちが来た時、そして2006年に従兄の家族が来た時、「ルーブルの有名な作品を三時間で見尽くそう!」とかいうような、すごいガイドブックを持っていて、従兄たちはやり遂げたらしいのだが、今回のわたしの目標は、《古代エジプト展をじっくり見る》だったので、どこから見たらいいのかわからないと迷っている家族をひっぱって、《古代エジプト展》をやっている棟に連れ込んだ。

 じつは、《ジジのエジプト旅行》という楽しい本を訳した。今年の年末までには出版される予定。そのせいで、《古代エジプト展》に深い思い入れがあったのだ。ミイラやマスタバや、そして《四匹のヒヒ》などを、この目で見てみたかった。

 ノエミがあまりにも熱心で、なかなか前に進まず苦労した。また連れて行くしかないな〜。
JPがいたために、ルーブル美術館の、楽しいお土産屋さんにも入れなかった。JPと迷ったふりをしてちょっとのぞいたら、絵画の有名人がつけていたのとそっくりな真珠のネックレスとか、古代エジプトの品のニセモノとか、そのようなおもしろいものがいっぱい並んでいて、おねだりしようと思っていたら、JPに見つかり「行くぞ」とあっさり言われてしまった。ちぇっ!

また行くぞー!今度はオルセー美術館にも行くぞー!(と、ノエミが言っている)

    地下の逆ピラミッド



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