2009/10/05

JP 入院 !

 そろそろ、夢について語ろうと思っていたのだけれども、あまりそれどころじゃなかった。
JPが、入院することになったために、入院する前にやることがいっぱいあるJPに、パソコンを独占されてしまったため。
JPが入院するからと言って、わたしはこれといってすることはない。このおひとは一人旅には慣れており、荷物をコンパクトにしつらえることが上手で、余分なものと不要なものを切り捨てる決断力があるので、わたしは彼の旅行の準備などしたことがない。
 わたしのロジックは、彼には意味不明で、彼の便利はわたしの不便なので、JPの持ち物を片付けたこともない。

 JPは《こんな顔》してるのだが、顔色はいいのである。
我が家で一番、ちゃんとしたものを食べ、早寝早起きで、程よい運動をしており、20年前とほとんど体型は変わらずスマ〜ト、髪も抜けず、視力も変わらず(悪いまま)、歯医者などにもお世話になっていない。
我が家で一番健康的な人間だ。

パパが《出張》というと、子ども達は
「バンザ〜イ。マクドに連れて行って〜」とか
「やった〜。今夜はピザ屋のピザだ」とか
「ピザにコーラとフライドポテトをつけよう」とか
「今日は夜更かしできる〜」とか
「あしたの朝は寝坊ができる」とか
わたしだったら
「洗い物は、食器がなくなるまでやんないぞ」とか
「料理しなくてすむ」とか
ノエミだったら
「ママを泣き落として、車で学校に送ってもらおう」とか
「ヴァイオリンをさぼろう」とか
まあ、うきうき気分で言ってしまうことが、山のようにある。

が、《パリ出張》と《入院》では、やはり、テンションに差が出る。

 ゾエは、パパがいなくて寂しい寂しいと言って涙ぐんでいる。(ちょっと芝居がかってるけど)
ノエミは、「一番健康に気をつけてる人が病気になるんだから、わたしはこれから思う存分不健康に生きる」などと言いつつも、いつもになく辛口の台詞が少なくなっている。
そして、「ピザは、健康的に、お母さんの手作りにしようね」と言うと、ハイと素直に返事する。
《入院》と言っても、じつは《検査入院》なんだけど、子どもには心配をかける。うちの子たちは普段から父親をないがしろにしているところがあるので、心配ないことがわかっているので、とりあえず、さんざん心配してもらった方がいいのである。《心配色》が濃くなったら教えてあげよう。

 木曜日にいきなり、「日曜日から検査入院するから」と言われ、金曜日にいきなり病院からいきなり電話があって、入院までの食事についての注意があった。4時間ごとの尿検査なので、食べるものに注意しなければならないのだ。普段通りに食べてないと、異常かどうかわからないと思うんだけど。

 そう、ただの検査入院。
夏から何度もおこなった様々な種類の検査で、身体からなにも出てこないので、今度はホルモンとか神経とかそっちの方を調べるらしい。
鈍感無頓着無関心無感動なので、確かにそっちを調べた方がいいかもしれないとわたしは勘ぐっていた。

ノエミが、「一番健康に気をつけてる人が病気になるんだから、わたしはこれから思う存分不健康に生きる!」など宣言するものだから、「パパは病気じゃない。身体はどこも悪くない」と、わたしが教えてあげる。

 JPはどこも悪くない。
JPによくないのは、ストレスだ。
JPを毒しているのはこの社会、この世界、そして、この家族だ。この三つの菌から、ストレスを被っているのが、病の原因であると、わたしは確信している!そんなの、医者に治せるだろうかねえ。
 ただ、病院に感謝しているのは、病因嫌いのJPを数日間縛り付けて、頭のてっぺんから足の先まで検査してくれるってこと。ずっと前から健康診断をしろといってもしなかった、アイツが悪い。はっはっは。ザマ〜ミロ。

 JPが検査入院をすると言った時に、わたしは「よかったね。ゆっくり休んでおいで」と言った。
反抗する娘や、ぐずる娘や、愚痴る妻のいないところで、上げ膳下げ膳(は、うちでも同じだ旦那様)、仕事もお休みっていうのは、彼には必要だったのだ。
シミのない真っ白な天井を眺めながら、まだ草の生えていない新しい病院の中庭を見ながら、新しい未来を描き直す時間を、無理矢理もうけさせることができて、わたしはうれしい。
 将来のことを、もっと自分のことを考えろといくら言っても、「ふむ」しか言わないからこうなったのだ。はっはっは。ザマミロ。

 リュックサックの中に本をたくさん詰め込んでいたので、わたしはこっそり《エコロジカルな家》の特集が出ている雑誌をしのばせた。ふふふ。わたしは、田舎にわらの家を建てるという野望を持っているのだ〜。屋根には太陽熱電池のパネルを貼って、庭には大きな風車が回る。。。。JPには、自給自足生活が似合っていると思う。
 「お金はわたしが稼ぐ!」と言ってあげられたら、一番いいんだがなあ〜と思う。
寝てなんかいられない、一家の主というのも、お気の毒。
 とにかく今は、いつまでもごろごろ寝てられるのは困るので、早く帰って来て、ゾエに金曜日に買ってあげたばかりの自転車につきあって欲しい。

 土曜日と、日曜日の朝入院する前に、家族で自転車に乗って自然の中を20キロ走った。20キロはゾエの初体験だった。
栗拾いに行けなかった。来週行けたらいいな〜。

Aucun commentaire: