2009/10/12

やっとの週末

 JPが水曜日に退院した。検査の結果は三週間後というので、それまでに何かよくわからないものが悪化するんじゃないかと、ちょっと不安。水曜日の夜はまき寿司パーティ〜♪
木曜日にもう一度検査をしなければならないというのでお休みにし、金曜日はついでに休みを取った。
ちょうどよかった。わたしは木曜日の夜から、ミーさんちでおシゴトの予定だったので。

 木曜日の夜に、日本からのお客様二手に分かれてのご到着ゆえ、ミーさんと念入りな予定を立てる。第一陣が無事ご到着(なんと時間通り)。第二陣が22時50分のご到着予定なので、申し訳ないけどわたしたちだけでお食事することになった。第一陣の到着を確認してから、ミーさんはお友達に電話する。
 「ちょっと日本人にいいものを食べさせたいから、おまえんとこの席をよろしく頼むよ」
と、勝手なことを言っている。お友達はトーキョーで電話を受けており、「なんだおまえも日本人とビジネスか」と、バカ受けしている。トゥールーズのレストランの席を、トーキョーから取ってもらう。ミーさんがバカ話をやめないので、横っ腹を突っついて「あの、トーキョーって今三時ですよ」と教えると、「いーの、いーの。どんちゃん騒ぎしてるみたいだから」
 オトコは出張で息抜きしてるのね。

 お友達のレストランは星がずらっと並んだすごいレストランであった。満席。「行くから頼むよ」と行く10分前に電話して取れるようなレストランとも思えない。肝心のシェフはトーキョーでどんちゃん騒ぎという事実を知っているのは、わたしとミーさんだけだったが、周りの人々は、おいしそうにお食事している。サロンのど真ん中にどーんとよいお席がご用意されていた。日本人の皆様が料理出るたび写真を撮り、ほかのお客さんの注目を浴びるので、ミーさんは恥ずかしそう。いちいちレストランで写真を撮るのは日本人の得意技だ。空港でも、教会でも、町中でも、お店でも、ゴミ箱でも、トイレのふたでも、なんでも写真を撮ってる人、そしてピースでポーズをとる人を見ると「あれは、日本人だね」とよくわかる。

 この前の接待では、ミーさんとトーキョーからお越しの《あー》さんの毒気にやられ、しかもエビなんか食べちゃったせいで、今世紀最大の下痢症状を起こし、さんざんな目にあったので、今回は何ごとも用心した。しかし、ミーさんちでのおシゴトと言えば、やっぱり食べずにはいられない。食べるのがシゴトだなんて、生きていたかいがあった。。。と思っていたら、「いや、アンタは別に食べなくていいんだよ。アンタはしゃべってんのがシゴトなんだから」と、ミーさんに痛いところを突かれる。しゅんとして食べずにいると、ミーさんが「冗談だってばあ〜食べなさい、食べなさい。わたしも黙っててやるから」と言って、急に静かになる。通訳に遠慮してしゃべらないでいてくれる人も、珍しいだろう。ありがたや。

 ミーさんのところのおシゴトは、朝が早くて夜が遅い。子どもたちにはずっと会えない。なので、「アンタじゃないよ。子どもたちにだよ」と言って、マカロンやらチョコレートをお土産にいただく。

 最後の朝、目が覚めたらもう10時頃で、約束の8時半に大遅刻となった。
「げー。どーしよー」
と一瞬お先真っ暗になりながらも、どうせ空港にはミーさんと二人で行く予定だったから、ミーさんが一人で行ってくれただろうと思い直して、再びベッドに潜った。爆睡して、お昼ごろに日だまりの中で目覚めたが、ミーさんは途中から合流する予定で、日本のお客様はわたしがホテルにお迎えに行くんだった!ということに気づく。
「げー、どーしよ〜〜〜〜。日本人が集団で怒ってるう。みんな飛行機に乗り遅れた〜。クビだ〜〜。マカロンともお別れだああ〜〜。」
泣きながら、飛び起きた。
 すると、お部屋は真っ暗。自分が一瞬どこにいるのかわからない。ぼっとしてたら、目覚ましが鳴った。
 すごくリアルな夢だった。
肉屋でバイトした時に、裸の地鶏に追いかけられる夢にうなされ、あれが人生最大の悪夢だったと思っていたが、マカロンとの別れと、怒り狂ったミーさんの顔を見るのはなんともつらかった。最後までしっかりお役目を〜と心新たに、約束通り8時15分にはホテルに着くように自宅を出た。子ども達はまだ起きていなかった。

 お役目を果たし、みんなに褒められ、自宅に帰る。台所には山のような洗い物があり、お昼ご飯を待ち構えている小鳥たちが、口だけ開けて待っている。食後のマカロンにみんなで飛びつき、コーヒーには新鮮なチョコレート。みんなしあわせ。

 週末はゆっくりしようと思っていたのに、JPが腰を痛めて歩けなくなった。テーブルについて、座っていっしょに食べるのも無理。一週間の検査入院つき休暇のあと、月曜日から二日間はトゥールーズでの研修、その直後の三日間はパリへ出張予定ということになっていたので、「どういうつもりっ?」という戒めだろう。
「ほらね、シゴトはどーでもいいから、家にいなさいって、神様のお告げだよ」
と言うと、いつもなら出てくる「ふむ」がなく、「そうだなあ、来週も休もうかな〜」と言っている。よっぽど痛いんだろう。それでも一応月曜日には職場に出て行く気ではいた。日曜日の夜は、起き上がれないパパを挟んで、寝室でサンドイッチパーティーをした。久しぶりの水入らずだったもの。

 そして月曜日、いつも通りに目覚ましを掛けて起きたはいいが、トイレに行ったJPは、今度は廊下を這って寝室にUターンして来た。
医者にも行けないので、マスリ先生に自宅に来てもらうことにした。困ったもんだ。大掃除の予定にしてたのにい〜〜。
「大掃除などやめて、休みなさい、休みなさい」
というお告げだろう。よかった。JPの腰のおかげで、大掃除しなくてすんだ。

 土曜日に届いた翻訳の第一稿の添削を見るとしよう。
こっちこそちゃんとやらないと、年を越せない。

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