2009/10/19

病欠

 JPは、10月11日に腰を痛め、這い回ってのたうち回った一週間だった。16日にマスリ先生のところに、ど〜しても一人で行くと言ってきかず、そのためには玄関先から50メートルは歩かねばならなかったので、まずはベッドから降りることから始めなければならない。
 15日の朝、ベッドから降りて歩き始めた。その午後、時間をかけて階段を降りて来た。そして廊下を行ったり来たり始めた。それでも、じっと座っていられないので、食事はやっぱりベッドでと言って、食べかけのみそ汁の茶碗を持って、夕食の途中から二階に上っていった。
 わたしが使っていた松葉杖を貸してあげたが、この人ったらリズム感ってものがないので、危なっかしくってしょうがない。転んでもらったら困るので、松葉杖は取り上げた。

 「1メートル85センチのところから転んで頭を打ったら、痛いよ」と言ったら、ニッと笑って、「転んだことあるから、わかってる」と答える。1メートル85センチのところからいきなり落ちた頭は、バスケットボールみたいに跳ねた。それを見ていたのはわたし。本人は記憶ないくせに。

 マスリ先生のところには、強引に車で連れて行った。50メートルの距離だけど。帰るのはどうしても自分の足でと言って聞かないので、じゃあ勝手にしろと言っておいて来た。そのかわり、薬を買いに行くのはわたし。フランスの診療所では、薬をくれない。処方箋を書いてもらって、それを薬局にいちいち買いに行く。予防注射も買って持って行って打ってもらう。急な注射の時には、「あ、一本残ってた」などという場合に限り、手持ちの注射を打ってくれるけれども、後日患者が薬局まで買いに行って、医者に戻さなければならない。

 「それで?月曜日にはまだ仕事には行けないんでしょ?」
行けるわけがない。歩く姿が《玉手箱オープン後》の浦島太郎だもの。
「先生が、病欠の届けを出すための紙を書いてくれた。それが、11月4日までなんだけど。。。間違ったのかな?長過ぎない?」
12日に看てもらった時には、一歩も歩くことができず、ベッドで寝返りも打てない状態だったので、先生は試しに一週間の休みをくれた。それが、あと二週間と言うのだ。
 その前の週から検査入院のための休みをもらっていたので、合計一ヶ月近くもの病欠!
ラッキーじゃないの〜〜。

「ほら、天の声が『休みなさい』って言ってんのよ」
とは、わたしの意見。JPは不機嫌。

 急に寒くなって来た。毎朝子どもが学校に出て行く8時半には5度ぐらい。真っ白だ。
ゾエが、学校に行きたくないと言いだした。寒いからじゃない。
パパと一緒に家に居たいのだ。
「毎日ベッドの上でゴロゴロしている暮らしも悪くない」と思っているのかもしれない。わたしはだからいつも
「パパは痛くて痛くて泣きたいのを我慢してるんだよ。仕事にも行きたいのに行けないんだよ。お気の毒」
と言い続けている。

 そんな折、ゾエがお腹が痛いと言った。むりやり学校に連れて行くと校門で泣いた。午後学校から電話があり、頭が痛いらしいので迎えにこいと言われた。家に帰って来たゾエは、お腹が痛いと言いつつも、おやつを喜んで食べる。元気すぎるぐらい元気。
 9月の新学期から、学校がつまらないと言いだした。学校で習うことは全部知っているから、教室で退屈しているらしい。でも、学校というところは、いろんな子どもが居て、書くのが速い子も遅い子も、みんな同じことをやらなきゃならないんだから、先生がしなさいって言うことをやんなきゃいけないんだよ。。。などと言いつつ、ちょっと気の毒。本人がもっと難しいことを勉強したがっているのに、どうしたものか。
 仮病を使ってまで休みたがるので、やはり先生と話した方がいいネと言うことになり、父親が家で寝ている事情や、姉が「学校はひどいところだ」と盛んに言い含めていることなんかを説明して、同時にゾエが授業中に退屈してるみたいなんですけど。。。と言ってみた。

 先生にはよくわかっていた。ちょうど一級上の子ども達と混合のクラスなので、自分の作業が早く終わったら、一級上の子たちのかけ算などを見てもよいと、先生は許可してくれた。難しい本でも、読みたければいくらでも貸すからと言ってくれた。そして、希望するなら、ほかの子ども達よりも多く宿題を出してくれるそうだ。飛び級できるかどうか、検討してくれるそうだ。

 JPはなぜか(?)仕事に行きたがり、ゾエはもっと勉強したがっている。
わたしなんか、JPが家に居ながらなにもできないので雑用が増え、ゾエが宿題をいっぱい持ってくるのでお勉強につきあい、剣道にも行けない。なので、剣道クラブのサイトで、『剣道の日本語』というレッスンを毎週二回行っている。剣道で使われる日本語の解説を、日本文化も含めながら行っている。頭で剣道している。
 
 今週の終わりから秋休み。去年の秋休みは家族揃って日本で過ごした。
一年はあっという間だなあ〜。
元気に年が越せるかな〜。

みんな、がんばれ。 

 

Aucun commentaire: