2010/01/30

一月の行事

、、、といえば、ガレット・デ・ロワでしょう。
《ガレット・デ・ロワ》というのは行事の名前ではなくて、お菓子の名前。
毎年クリスマスケーキが店からなくなると、ガレット・デ・ロワが並ぶ。
パイ生地の中に、アーモンドのフランジパンというクリームが入っている。
フランジパンは、カスタードクリームにアーモンドの粉を混ぜて作ったもので、このクリームにリンゴのコンポートを混ぜる人もいるし、ミーさんのケーキ屋さんでは、北アフリカの小麦の粒クスクスが入っていておもしろい舌座触りが楽しめる。

 パイ生地を閉じる前に、フランジパンの中にフェーヴを入れる。フェーブというのはもともとはソラマメなのだけれども、子どもたちを喜ばせるために、陶器で作った小さなフィギュアみたいなのを使うのが現代版。

 お店で買うと、そのころはやっているアニメのキャラクターだとか、メダルみたいなものが入っているが、自宅で使っているのは、いろんなところで集めたありとあらゆるフィギュアで、作った人が選んで、パイ生地の中に隠してからオーブンに入れる。

 今年はJPが作った。既成のお店のパイ生地を使わずに、自分で、小麦粉を練って作った。わたしだって、パイ生地を手作りしたことが一回だけあるが、とおっても難しく、時間が掛かるわりにパリパリの生地にならず、それ以来わたしはお店で買うことにしている。セーターと同じだ。何年も掛けて作ったセーターなのに、何年も掛かったせいで流行に遅れた上に、身体に合ってなくて、《あ〜あ》の結果に終わるので、メイドインチャイナあたりの、今年はやりのセーターをお手軽に買ってしまった方が、安上がりの上に美しい。と、いうわけで、今年からわたしはセーターを編むのはやめた。
 機械織りの安物セーターを買うぐらいなら、三十年前に母が編んでくれた、ほころびかけた重いセーターが好きと言うようなJPなので、既成のパイ生地など買わないのである。

 さて、できた。輝くようなできばえ。



ゾエがテーブルの下に潜る。
ゾエが「ママンーパパーノエミ」と、テーブルの下で叫ぶので、その順番で切り分けられたガレットが配られる。
どきどき。
ゾエは、パイ生地を開いて、クリームの中に指を突っ込む。





大きな口でかじりついたノエミ。
歯の下で、フェーヴががちっと音を立てる。


「わたしのところに入ってた!」
「おめでとう!ノエミが王様、女様だね!王様は誰に?」
ノエミは王様を指名して、キスをしなければならない。
男子はJPしかいないのだが、ノエミ13歳を過ぎて、「パパは、くさい、うるさい、面倒くさい」のお年頃に突入。パパにはキスしたくない。しかもさっきけんかしたばかり。プライドが許さない。迷っている。
「わたし。。。ボボを王様に指名する」
と、犬小屋のところに走っていく。秋からお風呂に入っていない、臭くてうるさくて、かなり面倒くさいボボになら、キスができる。プライド高いオンナでいるのも大変だなあ。

 ところでガレット・デ・ロワを食べるこの行事は、一体何かと言うと、キリスト教のお祭りで、1月6日の公現祭っていうんだそうだ。「公現祭」っていうのは、キリストが世に紹介された日(?)で、誕生を祝うために東方(ってどこ?)から三人の博士(フランスでは王様ってことになってる)がお祝いに駆けつけたことに由来して、「ガレット・デ・ロワ(=王様たちのお菓子)」を食べるようになったとか。
 詳しくはこちら。http://ja.wikipedia.org/wiki/ガレット・デ・ロワ

JPのガレット・デ・ロワ。。。すごーーーくおいしかった。
来年も作らせるので、食べたい人は遊びに来てね。

Aucun commentaire: