2009/09/01

なつまつり

 8月24日から一週間、カーモーは「サンプリヴァ」というお祭りでにぎわった。なんの祭り?と言われても、そんなのは知らない。夏祭り。カーモーは、町の大きさに比べて、週に一回の金曜日の朝市もかなり大きいが、サンプリヴァと言えば、もうとてつもなく盛大なお祭りだ。去年の夏にも、ダーバス家と弟一家が来ていたのに、ちょうどこのふた家族が入れ替わる時期にあたってしまい、ダニエル家だけで楽しんだのだ。

 「ダニエル家だけで楽しむ」と言っても、あまり楽しそうな顔のできない父と、遊具に乗って揺れたら吐く母なので、子どもたちにはお気の毒。今年はちょうど従弟のコランが来ているときだったので、ゾエはとっても楽しみにしていた。お祭りでは、まずお祭りの初日に選ばれた、ミスカーモーのパレードと一緒に、お花で豪華に飾られたトラックを改造した山車のパレード。楽隊のパレードが観られる。バトントワリングやフラメンコ、リオのカーニバル風の裸のダンスやカントリーダンスなどの各クラブのショーが行われるほか、町のあちこちでコンサートや、クイズコーナー、一週間だけの路上簡易バー、ペタンクの試合、サーカス、歌合戦、花火大会、ロトくじ会などなど、、、一週間にわたって、いろいろな催しが行われる。そして子供たちが一番楽しみにしているのは、町の中心にある三つの広場に、県内外から集まった、移動遊園地が設置されることだ。しかも、一週間、毎日毎日、目の前に遊園地があるのだから、うれしくてしょうがない。カーモーの各家庭で、一週間に一体どれだけのお金を、子どもに持って行かれたことだろう。。。県内でもこんなに大きな移動遊園地が一週間も設置されるのは、アルビの春のカーニバル以外にないので、遠くからもこのお祭りに合わせて人が集まる。着飾った田舎の人もいっぱい見かけるし、都会から戻ってきた人を連れたふうな、家族連れもたくさん見かける。

 かなり本格的な移動遊園地だ。いろいろなタイプのメリーゴーランドが常に子供たちを乗せてグルグル回り続けている。ゾエが一番好きなのは、「オートタンポヌーズ」という電気仕掛けの自動車をぶつけ合う激しい乗り物だ。ゾエはまえから車が大好きで、もっと小さい時からよくこのカートに乗って修業を積んできた。今や、ぶつからずに自由にハンドルを切りまくることができるので、本当はぶつかり合うのがこの乗り物のテーマなのに、ゾエだけは、人を避けて、狭い通路を口笛など吹きながら行ったり来たりしている。親はゾーンの外から「そこだ―、いけー、突っ込めー」などと応援しているのに、ゾエは、ぶつかろうとするほかの子たちの車をさっさと避けて、渋滞に巻き込まれることもなく、悠々とドライプを楽しむ。
 ノエミのお気に入りは、去年まで小さなクレーンでおもちゃを引っ張り上げる、ゲームセンターの宝探しみたいなものだったのだが、二三年かけて「自分の反射神経では、お金が消えるばかりである」ということにやっと気付いたらしく、今年はそれをやりたいとは言わなかった。
 ノエミはもう中学生なので、友達と出歩く約束をしていて、電話がかかってくるのを楽しみにしていた。親としては、あまり夜遅くに出歩いてほしくないけれども、内心勝手にやってほしい。ゾエとコランは一緒の遊具でも楽しめるけれども、ノエミはやっぱり一ランク上の、お化け屋敷だとか、ジェットコースターだとか、360度自由自在に回転する、円盤みたいのだとか。。。そういうのに乗りたがるから、ノエミのお相手はゾエにもわたしにも無理。去年、ノエミに付き合って、ジェットコースターをやって、気分悪くなって、降りた直後に吐いた、わたし。だから、ノエミのためにもわたしたちのためにも、ノエミは友達と行ってくれるほうがいい。

 ノエミの友達グループは、男の子と女の子全部で6人ぐらいの仲良しで、けっこうおとなしい方なので、あの友達だったら、まあ、悪いこと(?)などしないだろう。友達とでかけてもいいヨと言ってあげた。一人で出ていく娘が、なんだかとっても成長したような気分だった。本人もそんな気分だっただろう。その代わり、夕方のまだ明るい時間に出て、明るいうち、つまり6時までには帰ってくるようにといった。
お祭りでは、ノエミのクラスの女の子たちにすれ違ったが、お化粧をしていたり、派手な格好をしていたり、中には年上の男性と歩いている子もいて、こっちの方が目をそらしてしまうほどだった。

 ノエミを一人で送り出したその日は、日本からのお客様をお迎えに、トゥールーズの空港に行かなければならなかったので、娘のことを気にしながら、夕方から一人でトゥールーズに向かった。問題があって、お客様は到着せず、Uターンして戻ってきた。帰ってみると   
 ノエミは6時にはちゃんと家に戻ってきていた。友達と過ごせて、とっても楽しかったようだ。今年のミスカーモーは、クラスメートのおねえさんだと自慢していた。


          ミスカーモー


         

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