2009/06/04

ここのところ

 忙しかった。疲れている。夏になった。暑い。

 一ヶ月ぐらい前には、自分が本来一番にやるべき新しい子供の本の翻訳を、ガリガリやっていた。

 そこへ、剣道仲間から、明治時代の短歌の翻訳を頼まれて、2足のわらじになった。
学生のころはいちおう文系だったので、万葉集や伊勢物語、漢文も古文も、古典も近代文学もやった。1年生のころはとおってもまじめで、万葉集がけっこう好きだった。一番好きだったのは漢文だったけど、今はもうすっかり漢字が読めなくなった。

 《和歌》というと、万葉集のあれか?と思ってビビっていたら、5-7-5-7-7の短歌は短歌でも、明治時代のものなので、言葉はそれほど難しくなく、読むうちにおもしろくなった。一時期自分の本来の仕事も忘れて、どっぷり浸かってしまった。友だちへの葉書に「お元気でせふか」と思わず書いてしまったときには、我ながらにんまりしてしまった。

 そうこうしているうちに、いちおうこっちも《本来のシゴト》である、特許翻訳の仕事が入った。最初に原稿をもらった時には、10ページぐらいで、期限も二週間くれるというので、へいへいOKの返事をしたら、なんと,ほかにもわんさか資料がくっついて来て、合計100ページを越える仕事となった。入って来る金額も変わって来るので、つい、「ま、いいか」と思って仕事を始めたら、「ま、いいか」どころじゃなかった。しかも、最初の三日で進めた17ページを、四日目に寝ぼけてやった操作が運のつき、全部、ことごとく、見事に削除してしまい、「信じられん、信じられん」と泣きながら、朝から晩まで、夜中から明け方まで、パソコンに向かった。

 二週間もらえるはずだった期限の中に、三連休が含まれていて、わたしは「この三連休があるから、カンペキ終われるぜ」と思っていたら、「三連休の前に出して」と言われ、書式を整えたりなども、全部やれというので、ホトケのわたしには珍しく、「わたしの仕事は翻訳だけなので、それは勝手にやってくれ」と冷たい返事で突き放しヒンシュクをかった。
 
 「あと1回、週末が残ってるし」と思っていたら、「コランの誕生日だからお祝いをするよ」とナルボンヌから電話があり、仕方なくパソコン持参で出掛けたら、パソコンのコンセントを忘れてしまって、バッテリが切れる前の二時間しか仕事できなかった。お義父さんのパソコンを借りて部屋にこもる。「みんな、プールで遊んでいるわよ。あら、仕事?」とお義母さんに嫌味を言われ、お義父さんのパソコンは日本語が書けないので、インターネットに行って、日本語が書けるように調整して(人のパソコンなのに)。。。とにかく、あわただしく提出したら、提出の日になって、「本文中の記号が図の記号と違っていたので、日本語のも書き直してください」と言われた。
 
 じつは、もとのフランス語の方に、沢山間違いがあった。わたしが図とつきあわせて訳しながら、何カ所も間違いを指摘して、訂正がきて、書き直しをさせられた。よくこんなのでフランスでは特許もらえたね、と思った。プラスティックの容器を作る機械操作に関する申請書類なのだ。おかげで、プラスティック容器のことにずいぶん詳しくなった。
 それにしても、世の発明家たちというのは、とんでもないことを研究しているんだなあ、とつくづく感じる。2000ミリ毎秒の世界や、60度から14度の間で行なわれる微調整の世界で、毎日よりよい社会(?)がやって来ることを願いながら、研究に研究を重ねているんだなあと思う。フランスでは取れた特許が日本で取れなかったら責任重大だ。翻訳のせいで特許が取れなくて、訴えられたらどうしようと、じつは、思っている。

 さて、この間に、中学校でのにほんごクラブ、展示会が開幕した。

それから、もうひとつ、すごいニュースがある。これは次回。

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