2009/01/16

今年もよろしくお願いいたします


朝早く出掛けるわたしのために、わざわざ起き出して、抜けた歯を見せに来たゾエ。
下からすでに新しい歯が出て来ている。

 バタバタしている間に、年が明けてしまった。
お正月と言っても、たいしたことは何もやらなかった。
1月4日までのクリスマス休暇は、ナルボンヌのJPの両親の家で過ごし、そのそばに引っ越して来たJPの弟たちの手伝いに追われた。義弟の家のトイレ掃除をしながら、自分ちのお掃除だってまともじゃないのに〜と思って、ちょっとおもしろくなかった。お天気が悪くて外には出られず、子どもたちと交代でDSで遊んだ。ちょっとだけ地中海も見に行った。隣の家のおじさんが首つり自殺をして、救急車や警察の車や、野次馬や親戚が集まった元日以外は、ダニエルさんちは実に平和だった。子どもたちがうるさく元気だったおかげで、義父母の辛さをすこし緩和できたかもしれない。そばにいてあげられてよかった。

 新学期が始まり、月曜日から日本語レッスンも再開された。新年の第1回目は、た行《たちつてと》の導入。ここで、《て、あし、くち》などをやりながら、まだ全部は平仮名で書けない《あたま、はな、かみ、め、みみ》なども絵を描いて教える。
 平仮名をちょっとやったところで、持参した《破魔矢》《羽子板》《お正月の飾り、門松ミニ版》《カルタ》《けん玉》《お年玉袋》などを机の上に並べて紹介した。そして、《め・はな・くち》が言えるようになったところで、《福笑い》を出す。
「これはなんですか〜?」「くちで〜す」
などとやりながら、《福笑い》はバカ受けだった。
それから、《カルタ》はカルタでも、日本語教育教材用の、おもしろいカードを持って行っていたので、た行までしかやっていない子どもたちでも充分遊べた。

 火曜日から土曜日まで、日本から来るテレビの撮影隊に拘束されるので、一週間の買い物や、作り置きの食事を冷凍庫にしまう作業や、アイロンがけで、月曜日は大忙しとなった。ホテルと車の予約確認と、部屋のカギの受け取り。子どもたちの食堂の申し込みをしていなかったので、大慌てで市役所まで走った。この一週間の予定表や、インタヴューなどの使われる質問表を、印刷したり、心の準備をしたり。。。

 このようなご一行をお世話すると、朝と夜、家族とはすれ違いになる。ゾエは友だちの家に2日間泊まらせたので、その間は、顔も見れないから、空港お出迎え直前までくっつき虫だった。火曜日にパリで降った雪のせいで飛行機が遅れた。そのおかげで、アルビからいったん家に戻り、子供たちと一緒に食事することができた。その代わり、ご一行をホテルまで送って自宅に帰って来たのは、午前2時を過ぎていて、もちろん家人はみんな寝ていた。
 ノエミは新学期そうそう「かばんが壊れたから買いに連れて行って〜」などと言いだす。ゾエはというと、はじめての乳歯が、泊まっていた友だちの家で落ち、血を流して大騒ぎしたらしい。記念すべき第1本目なので、お祝いをしなければならなかったし、ノエミの時のように、なにかネズミに関する盛大な記念の贈り物がしたかったのに、バタバタしていたので用意できていなかった。ぐらつきはじめてからもう少し時間があると思っていたのに〜。

 フランスでは、乳歯が落ちた時には枕の下に置いて寝ると、夜の間にネズミが取りに来て、代わりに朝お小遣いやプレゼントを置いて行ってくれることになっている。ノエミの時にはシルバニアンファミリーのおもちゃのネズミさんに、来ていただいた。だいたいの家庭で2ユーロか1ユーロの硬貨を置いておくのが普通だが、わたしはコインよりも、ネズミに関する記念品を置いてあげたかった。お金には興味のないゾエは、おもちゃがもらえることを楽しみにしていた。

 ゾエは水曜日の夜取れた乳歯をティッシュに包んで、木曜日の夜友だちの家から自宅に戻りわたしを待ち構えていた。歯が1本欠けていて、変な顔だと思った。金曜日の朝はやく枕の下にコインを置いてあげた。うれしがってはいたけど、楽しみに待っていたおもちゃではなかったからちょっと残念そうに見えた。お祝いをしてやれなかった後ろめたさでそう見えたのか。
 金曜日の夜、撮影隊とレストランに向かう前に、みなさんが着替えをしている間、ほんのちょっとだけ一人で行動できる時間が持てたので、わたしはダッシュでおもちゃ屋さんに行き、ネズミのおもちゃを買った。そうして大急ぎでカーモーに帰り、ゾエの枕の下に突っ込んで、再びアルビに戻った。

 土曜日の朝は、顔を合わせなかったので、どうなったかわからなかったのだが、土曜日の夜遅くにトゥールーズから戻って来ると、ゾエ本人は、枕の下におもちゃが隠れていることには、まだ気づかないでいるようだった。前日あんなに大急ぎで支度したのに。
 土曜日の午後それを発見して、「わ〜気づかなかったけど、ネズミさんが来てくれていたんだ〜」と言って大喜びだった。数日間子どもたちとすれ違いだったので、申し訳ないと思っていたが、ちょっとだけ挽回できたかな。

 ノエミのかばんは、JPが買ってくれてあった。ノエミは大胆にもJPを引っ張り回していた。選ぶのにさんざん時間を掛け、店を換え、しかも親のアドバイスも聞かずに、丈夫な方ではなくかわいい方を選んだアサハカナ娘に振り回されて、「もう絶対にオンナと買い物に行くのはヤダ」と言っている。オンナのショッピングバックを持ってついて歩くことに慣れていない男は、1回で懲りるから困る。これで、水曜日から始まっているバーゲンセールを、JPと歩けないこと決定。

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