2008/06/11

出しゃばり 出てばかり〜

 ノエミは今年、学級委員と市役所子供代表をやっているので、会議に出てばかりいる。

 そしてわたしも幼稚園と中学のそれぞれのクラスの役員をしているので、出掛けてばかりいる。(なる人いないと泣きつかれてしまってこの始末)月曜日は成績会議のため、中学へ。PTAの代表がわたししか出席していなかったので、レポートを書く羽目になった。どうしよう。会議から帰って用意してあった夕飯を食べ、今度はJPが中学に出て行った。JPは、クラス役員ではなくて、学校全体の役員をしているので(わたしが泣きつかれて、JPに分担した)また別の話し合い。
JPは夜の11時に帰って来た。
翌日は公務員のストだから、余裕ということで。

 火曜日はとおってもハードだった。午前中に冷蔵庫の中味補給をし、幼稚園の全児童がサーカス鑑賞とのことで、午後は泣き落としをくらってまたまた引率。徒歩20分のホールへ。おお騒ぎのサーカスをバックに、豪快に寝てしまった。疲労回復を目指す。
 そのあとダッシュでフルートのレッスン〜。練習不足でおお恥〜〜。
JPが、公務員のデモ行進に出て行ったので、ゾエは迎えに行って、自宅にいったん連れ戻って、そのあとモーガンに預けた。ごはん食べさせて泊めてくれるというので大喜び。わたしは今晩またもお出かけなので。

 夜、浴衣を着て劇場へ。「ヒーさんが捕まらなかった」と、まるでうそっぱちな言い訳を理由に、《武道館》年末演舞会の余興のために、お習字をやってちょうだいと泣きつかれた。困ったけど、6メートルの垂れ幕は諦めてくれたらしく、幕間に、なんでも適当に書いてくれたらそれでよいと言う。適当ね。適当にしか書けない人間にはうれしいお言葉。土曜日には予行演習まで行って来た。子連れで。

 《武道館》には、柔道・空手・剣道などのほかに、ボクシング・太極拳・そして、ダンスのクラブなどなどなどがある。柔術・杖道・クンフー・テコンドー・フランスのボクシング・タイのボクシング・居合道・合気道もある。日本人だってあまり見たことがないんじゃないかと思う。6月は年度末。もうすぐ3学期も終わり、夏休みに入ると、これらのクラブもお休みになる。それで、このようなクラブでは《発表会》とか《反省会》などの《会》があちこちで行われる。

 《武道館》というのは、クリスチャンという元柔道チャンピオンが経営している、いくつかのタタミの部屋と木の床の部屋を持つ、私立の武道場。女性柔道家と乱取りをするのが大好きといって、にやけている彼なので、わたしはあまり信用してない。クラブの年間費は、公立の体育館でボランティア先生がやっているようなクラブに較べると2倍の額で、わたしにはとてもとてもなので、わたしは今年、この《武道館》には通わず、教師歴1年足らずでわたしよりも経験の浅い先生ひきいる若いクラブの、タタミの上で剣道をやってる。信用できる人ばかりなので、派手な発表会はないけど充分満足している。

 さて、問題の発表会。アルビのゴージャスな劇場を貸し切って、照明・音楽・演出までもがプロ顔負けのセッティング。いやはやびっくり。そこで、わたしは、タタミを移動させる幕間の3分の間に、笛吹き童子に変装した柔道家(もちろん吹いてる真似)の隣に座り、《友情》とか《平和》とか《愛》などの、まあ、そういった、フランス人が入れ墨にしたがるような漢字を、次から次に思いつくままに書き散らした。

 浴衣のそでにたすきを掛けて、達筆に(しっちゃかめっちゃかに?)、芸術家のような筆さばきで、墨を飛ばしながら、実は何度も同じ単語を書いたりもしてたんだけど、どーせ誰にもわからないし〜と思い、また「《武》という字には右上に点があったかなあ?」などと考えたりもしながら、ざんざか書いた。
 柔道衣を身にまとった乱取りにぴったりな美人ダンサーたちが、わたしのお習字を少年柔道家たちに配って歩いた。3分の間には少年柔道家全員には書いてあげられず、「もらってません」と舞台に上がってくる少年までいて、笑いを巻いた。

 あとで、サインしてと言われたりもして、帰れなくなった。。。。そのうち、「小松が泣〜くよ〜 ほいほい」などの歌詞が楽しい、西日本方面の民謡かと思われるような曲に乗って、《まじめな顔で太極拳もどきを披露する、中国風の服を着たもろヨーロッパ人》が現れ、もう、こうなったら最後までおつきあいいたしましょうと腹をくくった。

 ドレイ先生率いる剣士たちが、気合いの声を張り上げて立ち会いをするのを見て、わたしの隣に座っていた女の人が、劇場を渦巻くような「ブブブー」を吹き出し、やがて「ギャハハ」が自分でも止められなくなり浮いていた。「ひとこと言ったろか」と思っていたら、舞台では居合道のデモンストレーションに移っている。《介錯》の技(かいしゃく、切腹のあとにすっきり死ねるように頭を落としてあげる技)で、いきなり「ギャ〜」と叫んで死んだふりをしたドレイ先生に、隣の女性がビビっていて、「ドレイ先生得意の抜き打ちですね」と、一人ほくそ笑むわたしだった。
 浴衣を褒められたりもしたが、数年前のように若い男性が近づいてくるようなことはなく、「着物姿が樽みたいだとやっぱりなあ〜」と寂しさに包まれた。実は浴衣の着方も適当。

 結局、最後まで残ってしまい、夜中の12時に帰って来た。家人にわたしの浴衣姿を褒めてもらおうと思ってダッシュで帰って来たのに、途中でハリネズミに遭って、「かわいいね」と言われる前に、びしゃっとひき逃げをしてしまい、テンションが一気に下がった。家の玄関を開けると、我が家はひっそり闇に包まれており、家人はもうすっかり夢の中だった。

 1時から成績会議のレポートを書いた。

 先日、ニューヨーク辺りのマンション35階にいて、マンションごと津波に呑み込まれるという夢を見た。波がじわじわと迫ってくる、しかも地響きも風圧も肌で感じる、すごい迫力だった。
「ママン、そんな夢見たら、おねしょするよ」とゾエに言われて、この頃不眠症だ。

 けれどもまだまだ終わらない一週間〜〜。 

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