2007/12/05

Sans clope je suis au top !

ノエミが学校から帰るなり、
「1年に3000人ぐらいの人が亡くなっている、ひとつの大きな原因はなんでしょう?」
とクイズを始めた。
「なんだろう?お風呂での水死事故?」
応えは
「他人が吸っている煙草の煙のせいで亡くなる人の数だよ」
そりゃあ大変だ。

 全国で「タバコを吸わない、吸わせない運動」熱が高まる中、ノエミの通うヴィクトル・ユーゴー中学校でも《煙草撲滅》宣言を行うことになったそうだ。先日高校の前を通った時に、《学校から煙草を追放しましょう》というのぼりが上がっているのを見て、「なんだ、ここでもか」と思ったけれども、まさか中学校でも《撲滅運動》だなんて。。。

 ノエミがもらってきたチラシによると、
中学校に上がる11歳というのは「新しい冒険をやってみたいお年頃」なのだそうだ。恋愛、海外旅行、一人旅、飲酒のほかに、危険なこと。。。つまり運転、麻薬、喫煙などなど。。。「ちょっと試してみたい」お年頃なのだそうだ。
 そういう時期に、家庭でどのようにバックアップしたら良いのか。アルコールや喫煙の依存症になってしまう前に、「体験」が「習慣」に変わる恐れと防止について、大人の注意をあおぐ内容だった。

 注目すべき記事2点
1)14歳から15歳の女子中学生のうち10%、男子中学生のうち9%が、毎日タバコを吸っているとのアンケート結果。
2)この時期に煙草に手をつけなかった若者の多くは、20歳以降も煙草に触れることはないというアンケート結果。反対に、中学生で煙草に依存している人は、20歳以降もやめられない人が多い。やめられなくなってしまうことが多い、とのことだろうか。

「おうちの方へ」という欄にはこんなことが書いてある。
健康について、有害な煙のない環境について、家庭で話し合ってください。子どもに健康の大切さや、ニコチンの危険(吸う人だけではなく、吸わない周囲の人に対してのリスク)について、身体に有害な物質に依存することの危険について、など話し合ってください。それを教えてあげるためには、大人もそのことについてもっと真剣に考えて、実践してください。見本を見せてください。

 このキャンペーンの企画で、ノエミのクラスではヨーロッパ規模のコンクールに参加することになった。
「クラス全員が、タバコを吸わないように、また、吸っている人には協力してやめさせてあげること。煙草をやめられない人は、吸う本数を減らすように呼びかけ、協力すること。」
 6ヶ月後に報告書が提出される。規定を守って煙草撲滅、あるいは減少に貢献したクラスは、アソシエーション《喫煙者のいないクラス》主催のアムステルダム観光旅行が、クラス全員に贈呈される。

(そこまでやらなきゃだめなんだろうか?という気もするけどねえ)

 以前は煙草を吸わない人のほうが、小さくなって煙を避けていたけれども、この頃ではどこに行っても喫煙者のほうに厳しい社会になってきている。喫煙者の中には、タバコを吸うことを「依存症」だとは考えず、「たしなみ、楽しみ、精神安定」などというちゃんとした理由を掲げている人もいる。
 わたしがチョコレートをやめられずに「これは精神安定剤」といってるのと同じかな。隠れてチョコレートを食べなきゃならない時代が来たら悲しすぎる。

 夏休みに我が家に泊まったお客さんがヘビースモーカーだった。行く先々で喫煙者のためのテラスでお茶することになり、彼女は自分の子どもに煙が流れないことにはとても気を遣っていたけれども、わたしの子どもたちには煙が流れて来ていたから、腹がたった。うちの子たちは匂いを嗅いだだけで気分が悪くなる。
 食事の後は必ず「ちょっとタバコ吸ってくる」といって外に出るので、片付けや洗い物を手伝ってくれることなどなかったし、さあ出掛けようと言うと「タバコを吸い終わるまで待って」と言われて、駐車場で煙草が減っていくのを待たされたりもした。
「人に迷惑かけないでタバコ吸ってる」と言われても、あまり納得できなかった。わたしはタバコを吸ったことがないので、気持ちがわからず、偏見を持っているだけなのかもしれない。

 「きれいな空気プロジェクト」を実践しようとしている友人は、「タバコを吸える場所」をもっと詳しく案内できるように、自分の意志で煙草をたしなむことや、その行為に癒しを求めている人などにとっても、同じく優しい社会になるように、と心を砕いた企画を立てている。
 「ボクメツ・ボクメツ」と言ってるわたしとは違う視点があるんだな。「吸う人、吸わない人」のいる世界で、かたっぽだけの肩を持つのは釣り合い取れないのかな?と、わたしもちょっと反省してみた。

 「男女平等」とか、「世界はみなひとつ」とか、「弱いものを救おう」とか、まあ、いろいろ叫ぶ前に、足して2で割った対策も肝心なのだろう。フランスではこの1年、やめたいと思っている人のために、煙草の専門家に相談する費用や、治療に必要な薬の割引保証なども率先して行われていた。禁煙席を設けるという規定を守らないカフェやレストランへの罰金。禁煙席を設けるための工事費用援助なども。

 タバコを吸い続けようが個人の勝手だけど、きれいな空気には賛成。

 《喫煙者のいないクラス》運動 のオフィシャルページはこちら
http://www.classesnonfumeurs.org/concours_krea/concours_krea.asp

《煙草撲滅》を叫んでいる人の、肩の力を抜くゲームはこちら。フランス語がわからなくても遊べます。
http://www.classesnonfumeurs.org/jeux/smoke_invaders.asp

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