2006/11/04

最後の週末

 JP一人では屋根裏部屋の改修工事があまり進まなかったというので、どんなにがっかりするかなーと思いながら屋根裏に上ってみた。がっかりするどころか、深く感心してしまった。
 大変だったと言ってる割には、ずいぶん進んでいる。斜めになった屋根に板を張って、屋根の梁と板の間に断熱の詰め物をする。それは「シャーンブル」という素材で、普通の日曜大工センターには売っていなかった。自然素材の日曜大工品を展示しているところに行ったり、本やインターネットで下調べや問い合わせをしてから、取り付け方法や断熱効果なども調べて、JPが特注した。
 ひと昔前はグラスウールという黄色い綿みたいなので、ちくちくする危険な素材が使われていた。もっと昔に化学製品のなかった頃に使われていたのが、この「シャーンブル」という素材だそうだ。
 ちなみにたった今、辞書でその単語を引いてみたら、「大麻」とあった。えー、そうなのっ?
 もしうちが火事にあったりしたら、ご近所みんな大麻中毒でレロレロになるんだろうか、、、などと変なことを想像してしまった。《大麻》の綿は1.5メートルX10メートルぐらいの細長いベルトに切り揃えられていて、ロールケーキのように巻かれて届いた。それを梁の長さに合わせて切る。わたしも手伝った。

 自分だけ楽しいヴァカンスをとってしまったという後ろめたさもあって、なんだかばりばりに働いてしまった。

 ほかにも前からずっとヴァカンスに入ったらやりたいと思っていたことが残っていた。
ビズファミーユという雑誌で、地方特派員を募集していたので、編集者さんにメールをおっくったら、どうぞ書いてくださいとのことだった。新聞記者に憧れていたこともあったぐらいだから、雑誌に自分の記事が載るかと思ったら、もうじっとしていられないのだった。でも、ずいぶん長いこと、取材などができずにいた。写真も撮っていなかった。
 従兄が夏にたくさんの写真を撮って、彼のブログで紹介している。
http://imasami.mo-blog.jp/photos/france/index.html
その中からアルビのきれいな写真を一枚貸してもらうことにした。

 そして、アルビについての記事を書いて送ったら、早速ビズファミーユの公式サイトの「フランスの地方都市」というコーナーに出してもらえた。
http://www.bisoupfj.com/
 カーモーはあまりにもマイナーな田舎なので、やはり第一回目の取材は《トゥールーズ・ロートレック美術館》や豪勢な《サントセシル大聖堂》のあるアルビにした。次回は、自分が住んでいるカーモーの紹介をするつもり。
 
 もう一つヴァカンス最後の週末にやった大きな仕事がある。
 それは今度翻訳をすることになった『おじいちゃんは天からの贈り物(仮題)』という児童書の原作者ヤエル・ハッサンさんに、メールを書いたこと。企画を立ち上げた時からずっと彼女の住所や電話番号を調べていたのに、なかなか見つけられなかった。今回、翻訳することが決まって、また改めて調べていたら、数ヶ月前にはなかった新しい書評などのサイトを見つけることができ、その一つに、ハッサンさんの住所もメールアドレスも紹介してあるものがあったのだ。
 いちかばちかで、自己紹介の短いメールを出した。

 ハッサンさんは、まだ自分の本が日本語に翻訳されることを知らなくてびっくりされていた。でも「ぜひ会いたいので、よかったら明日かあさってにでも遊びに来てください。」という涙が出るほどうれしいお誘いだった。
 残念ながらそのお誘いは、今回お受けできなかった。
月曜から子供たちの学校が始まってしまうし、パリまで半日で日帰りする元気はないし、お金はないし、そして何よりも、原作者の人に会うからには、やはりインタビューを用意しておいた方がいい。せっかく会うのだからたくさん質問したい。とりあえず、もうちょっと翻訳が進んで、質問事項が集まって来てから会いに行かせてもらうことにした。
 実は春にパリの義弟のところに、遊びにおいでと誘われている。
春には父の三回忌で、いよいよ出来上がる納骨堂の開幕式(?)もあるので、実は日本に帰りたいけれども、パリに行く費用はどうにかなっても、日本まで帰るとなるとちょっと。。。だ。とにかく本を終わらせて、ちゃんと報酬が出てから考える。作家はベストセラー1本で家も買えたり、海外旅行もできたりするという噂だが、それはきっとうそに違いない。小説などの原作を書く「作家」だったらあり得るんだろうか?
 翻訳の仕事は1年みっちり働いても、わたしの友達がパチンコで1週間で稼ぐ金額よりも少ないらしい。その友達に「お金をもらうっていうのは大変なことだね」って言われた。

 それはおいておいて。。。とにかく原作者の方とコンタクトが取れて、「なにか質問あったらいつでも電話して」と言ってもらえたので、とっても心強い

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