2010/10/11

学生に戻る

 10月4日から、学校に通っている。
ことの始まりは、『料理教室』を探していたある夏の日で、新学期の9月からどこかの料理教室に通えないかと思って、インターネットを見ていた。そして、料理の授業を見つけたのだが、その教室に入るためには、『職安』に登録されていなければならなかった。

 「職安」が、転職・免許取得を希望している人たち(失業者)を対象に、報酬つきの研修を企画していたのだ。つまり、授業料一切は職安が面倒を見てくれる。そして、わたしたちは、週に35時間学校で勉強しながら、最低賃金(時給8ユーロ)をもらうことができる。研修は10月から5月の終わりまでで、全部で14週間の職場研修がある。

 ことしは去年に引き続き指圧の授業も受けるし、剣道の指導者資格試験準備講座にも行かなければならないので、お金が掛かる。日本語レッスンはあるかないかわからないので、もっと定収に繋がる仕事を探していた折でもあった。なので、『学校に行って勉強する』ことのほかに、『ただで行って、そのかわりお金がもらえる』ということに惹かれた。しかも、習いたい習いたいと思っていたフランス料理を学校で習えるなんて、うれしい。

 しかし、ただの有閑マダムが通うようなただ料理をするだけの料理教室ではないので、調理学や栄養学や、数学(カロリー計算とか、はかりの使い方など)や英語(インターナショナルなレストランを目指し。。。?)もある。地理(フランス各地の料理について知らねばならない。特産品なども)や歴史(料理は文化、文化は歴史に繋がっているのだ)もある。そして、週に35時間の労働と言うと、たいてい朝8時から始まって、夕方6時とか8時とかに終わる。宿題もある。とにかく読むものが山のようにある。

 調理の時間に作ったものを1ユーロで買って持ち帰ることが許されているので、家に帰って料理をする手間が省ける。それは助かる。一日目などはタルト生地の作り方を学ぶ授業だった。キッシュとリンゴのタルトで、塩辛いか甘いかの違いで、使われている材料はほとんど同じだったから、試食する側にとってはおもしろくなかった。キッシュは、自分で作る方がずっとおいしかった。翌日は子牛のシチューでご飯がついていた。ご飯は見た目でわたしの作るご飯よりまずそうだったので、そんなものに1ユーロ払うのはばかばかしいから、シチューだけ持ち帰った。家人は「夜に肉なんか食べたくない」というので、ほかのものを作らなければならなかった。いちおう主婦なので、独身男性の参加者よりは、料理に関しては知っているようなのだが、でも、細かいことでこれまでミスをしていたんだと気づかされたことがいくつもあった。プロの先生に隠し技やコツを教えてもらえるのがうれしい。

 職場研修では、ミーさんが雇ってくれることになっている。ミーさんちのケーキを直伝していただくのだっ!!ずっと前に「調理師の学校に入りたい」と言ったら、ミーさんから、「バカなことを言うもんじゃない。甘くないんだぞ。主婦の片手間にできる仕事じゃないんだから」とこっぴどく叱られた。でも先日「料理学校の入学試験に合格しました」と連絡したら、「おめでとう!うちで雇ってやるぞ」と返事が来た。ほほお〜。雇って欲しくはないけど、ミーさんの技の直伝があるならば、行きますとも!

 とにかく、一日をどのようにやりくりするかが大きな課題。ほんとうに続けられるのかな〜。
今週は、木曜日に8時まで料理をして、ダッシュで家に帰り、9時の電車でトゥールーズへ行って、そこから夜行に乗る。パリに翌朝の七時に着いたら、ダッシュで会場に向かい、9時から剣道の講習を受ける。日曜日まで泊まりがけで剣道をやって、日曜日の夜夜行でパリを発ち、月曜日はまたダッシュで学校に行く。。。。いくらわたしでも、体力が保つのか。。。ちょっと心配。

さあ、寝よう。。。

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