2010/07/05

仕事を断った

 わがままなのだろう。

 金曜日に来た仕事。できると思って見積もりも出した。そこには納品の期日を『水曜日の朝』とした。週末は電話が沈黙状態だったので、もちろんもらえるかどうかの仕事だから、はじめたりはせず、土日は遊び歩いた。
 月曜日に見積もりの返事が来て、『仕事を始めてください』と言われて、内心『ゲー』と思っていたら、さらに注文がついて、パソコンの(わたしにとっては)難しい操作まで頼まれた。フランス語の文書を日本語に訳して、それをPDFやらいろんな形のファイルに直したり、いろんなファイルになっているものに手を加えて、だれのどんなパソコンでも読めるようにしたり。。。いろいろ頼まれる。JPがいたら簡単『へのカッパ』そうな作業とはいえ、JPはゆうべからパリに出張で留守。
 「セクレタリーが夏休みを取っちゃって、いないんですよ〜。いや困ったなあ。ほかの仕事も溜まってるし〜」と言ってみる。

 わたしは翻訳者であって、パソコンをいじったり、文書をいちから打ち直したり。。。そういうのにはわたしのやることではないと思っている。いろいろと技術がいる。だから時間も掛かるし、時間を無駄にするし、それにわたしが本来やるべき仕事のほうはちゃんと出せないし。。。だから、簡単に引き受けちゃいけないと即座に決断を迫られた。
一度「やります」と返事して、相手を期待させときながら、けっきょく「わたしには無理」とはっきり言って断ってしまった。

 あの会社からは、もう、翻訳の下請けとか、リライトの仕事は来ないだろう。
そして、そう思うことは、自分の無力を恥じる気持ちもちょっとはあるけど、じつは心の大部分で『嬉しい』のだ。じつは。

 やりたくないことはやりたくない。プロフェッショナリズムに欠ける。そんな、プロフェッショナリズムとか、そんなこと語れるほどの、プロじゃないし〜〜。こんなことではいつまでたっても『稼げ』ないのである。あ〜あ。やりたいことだけやって、どんどんお金持ちになれる方法は。。。。。ないよなあ。。。


 きのう、うちから車で三十分ぐらいの『ポンペロン』っていうおもしろい名前の村で、本のお祭りがあった。そこで、面白い本を二冊見つけた。こういうのを訳したいなあ〜〜と思う本。そういうおもしろそうな本を、この週末中に手にしてしまったので、おもしろくも何ともない、難しそうな、『定款』のお仕事は、つい「できませ〜〜ん」と弱音を吐いて、あっさり断ってしまった。でもねえ、同じ文書でも、納期が2日の『定款』と納期が一年の『児童書』では魅力が違う。(ページ数も違うけど)じっくり考える時間がある方が、そして夢のある文章を生み出すことを要求される仕事の方が、やっぱり楽しい。ああ、こんなことを言っていたら、いつまでも自立はできない。

 一度やりますと言った仕事を、納期迫っていて相手が困ることを知っていながら、とことんやらずして断ってしまったことについて、どしーんと罪悪感。とことんやって、それでもできませんでした、と言える方が、達成感と罪悪感が違う。

 いつものわたしはけっこうとことんやっている方じゃないかと思う。とはいえ、とことんやることに、ちょっと疲れが出ている、今日この頃。今日仕事を断った相手には『ろくでなしの意気地なしの無責任』と言われているに決まっているけど。。。
夏休みに入ったので、いきなりグータラになってしまったみたいだ。実務翻訳なんか、したくな〜〜い。

 さて、子どもたちにごはんを作る時間だ。クライアントの電話の時に、ゾエがバックで「ママン、ママン、ぎゃあぎゃあ」と言っていたので、わかってもらえただろうか?わからんだろうなあ、夏休みもちゃんと働いている人は、とことんやってるスーパー・ママンか、子どものいないシングル・キャリア・ウーマンに決まっている。

 子どもと一緒の夏休み。仕事ぐらい断ってよいのだ。そういうことにしよう!
あ〜あ、罪悪感。 

Aucun commentaire: