連休で退屈している子らまで連れて行った。昔からよく知ってる仲間が、遠方からもたくさん来ていたので、みんなに子どもたちを見せびらかしたかったのだ。さとこさんちのお子さんと仲良くなって、とても楽しい一日だったみたい。
三時間も《日本剣道形(かた)》の練習をした。《形》っていうのは剣道の実践にも応用できる技術が凝縮しているし、それに竹刀ではわかりにくい《刃筋(はすじ。刃の向きなど)》などもわかるので、お勉強するに越したことはない。けれども日本では昇段試験の前ぐらいにしかやらないし、フランス人はけっこう好きだが、うちのクラブのドレイ先生はあまりやらない。 ドレイ先生は素振りもやらない。(そういうのは家で一人でできるだろうと言う、まあね、そうなんですけど。。。)
稽古の締めくくりは、先生に《もと立ち》という《打たれ役》をしていただくのが講習の定番。先生はおそらく20人ぐらいを相手に稽古をされる。地稽古とか試合稽古といって、戦場のつもりで突っ込んで行かねばならない。最後に「一本勝負お願いします」などと言われることもある。
60歳のおじさんをボカスカ叩いていいのは、剣道ぐらいだろう。でも、たいていが60歳のおじさんに叩きのめされて尻尾を巻いて座り込んでいる。先生との稽古は速いもの勝ちで、準備の整ったものから先生の前に進んで「お願いしますっ」と申し込む。
わたし、面を着けるのは速い。でも、ウォーミングアップもしたかったので、うちのクラブの若造クンに一番手を譲った。
若造クン。先生に、ビシバシやられていた。「気合い入れろって言ってんだろーがっ!」とか「ほら、そこ打たんでどうするっ?」とか「何本打っても入らんじゃないかっ」と怒鳴られていた。ひとことずつちゃんと、耳を引っ張って大声で通訳してあげたかったけど、そんな暇はなかった。残念。
さて、わたしの番がきた。先生は、まるでわたしのことを高校生ぐらいの子、と思っていらしたのかもしれない。夕べもそうだったけれども、なぜかわたしだけが、体育館中を走り回され、何度も突き飛ばされて転びそうになった。ああ。。。高校時代がよみがえる。ぜーぜーぜー。。。か弱い女性を竹の棒っきれで、叩いたり突き飛ばしたり。。。こんなことが許されるのも、剣道ぐらいだろうなあ。
終わったあとにご挨拶にうかがって、お言葉を賜った。
「フランスでは高段者が少ないから、元に立って、打たせて、稽古つけてもらえる人が少ないね?でも、相手がどんなでも戸惑わずに、じっとこらえて《今みたいにきれいな面》を一本バンって決めてやんなさいよ。あんた、面が上手だよ。小さいのにこんな大きい人たち相手にあれだけ面を打てたらいいよ。今やってることを続けなさい。小さいからって打たれてばかりいたらだめだよ。身体の大きさは関係ない。恐れないで掛かって行きなさい。昇段試験受けなさいよ。(最後のこれはかなり褒め言葉)」
恩師の佐藤先生に習ったことだけを考えてずっと稽古してきた。大きくて堂々とした面。まずはそれ。佐藤先生に見ていただけないので、いつも空に向かって「見てください」と言いながら稽古していたのだが、こんな所でこんなことを言ってくださる方に出逢えるとは。
明日は5連休最後の日曜日だから、家族サービスかなあ〜と思っていたけれども、先生にほれぼれ。。。褒めていただきたいので、張り切って行くことにした。子どもたちもおもしろがっていて、どうしてもくっついて来ると言う。
若造クンは、《形》はもうやりたくないので明日は休むって!とことん根性の濁った輩だ。はあ〜。
2007/05/19
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