2009/02/26
巨匠のご到着
ミーさんご到着である。
東京でお世話くださる《あー》さんが、御殿山のホテルに迎えに来てくださった。
「みのりさんとミーさんのお世話は楽しく、わくわくいたします」といきなりコクハクされ、わたしも「では、また今回もよいレストランに連れて行ってくださ〜い」と図に乗ったことを言い、この前のテレビ撮影隊のことや、このごろのJPについて語り合いながら、あっという間に成田空港に着いた。
ミーさんは飛行機の中で睡眠薬を飲み、爆睡しているらしいので、いつもけっこう元気だ。
お昼は《あー》さんの思いつきながらも、銀座のフレンチを食べにつれて行っていただき、夜はミーさんと《あー》さんの共通のお友だちパティシエと合流して、六本木のフレンチだった。
わたしは個人的には、日本に帰ったらきつねうどんとか、カレーライスとか、お好み焼きとか、ラーメンとか、そういうものを食べたいのだけど、いまやミーさんは舌の肥えた巨匠であり、ン10年前にまだ若かりしただの職人だった頃に、ラーメンやらきつねうどんは体験済みなので、やっぱりフレンチじゃなければカッコつかないのである。日本のレストランには、フランスでは手に入らないようなものも、ある。しかも、信じられないぐらい高いボルドーやブルゴーニュのワインを外せば、思いのほか安く飲めるワインがいっぱいある。(それにしても信じられないぐらい高いけど)
日本のフレンチのレストランは、どこもすばらしい!ほれぼれする!
フランスで星付きのレストランに行ったのは数えるほどなので、本当はどうなのか謎だが、日本のフランス料理店で働く人は、フランス語がわかる人も多いし、フランスで勉強したことをきっちり応用しているし、それに付け加えて日本人の繊細さや器用さが、お皿の上で輝いている。しかも、味はちょっぴり日本人好みになっているし、サービスの人たちの教育も、ソムリエの腕前も、たいしたものだっ!と、ミーさんも言っている。
フレンチなのに、わさびやゆずや抹茶が取り入れられているのも、愉快だし、フレンチなのにフランスでは捕れないお魚が出て来るのも、おもしろい。
ミーさんが車とか薬を売っている人だったら、わたしの旅行はちっとも(文字通り)味気なかっただろう。《あー》さんは、レストラン探しに頭を悩まさなくてもすんだだろうし、食費ももっと軽くで済んだかもしれないが、ミーさんは自分でレストランも経営している人なので、下手な料理ではうなづかない。《あー》さんのレストラン選びにも気合いが入っている。
ミーさんは通訳のわたしにも「喋ってないでさっさと食べろ」としょっちゅう言ってくれる。
普通、通訳は食べないで喋ってるものなので、サービスの人もそれを心得ていて、通訳のお皿は、どんどん下げて、次々出さねばならない。こちらはちゃんと気を遣って「下げてください」と言わねばならない。
でも、わたしが注がれたワインを飲まずに「下げてください」というたびに、ミーさんは「そういうオンナはむかつく」とか、「これを食べないで、フレンチを食べたと言うなヨ」などと、わたしをどやしている。
そしてわたしたちは、接待の食事の合間に、お肉の焼き具合や、サービスの善し悪しや、グラスの形や、デザートの味について、意見交換をしている。
ミーさんがわたしに通訳としての報酬を出してくれているわけではないのに、ミーさんは、「日本人はああ言っているが、本当のところはどうなんだね?」とか「ここでうんと返事したら、どういうことが起こるんだね」などのほかに、「今日は機嫌が悪いから、相手の日本人にちょっとわがままを言ってやりたい」など、(わたしを困らせたいんだな〜、このヒト)と思うようなことも言う。
都合がいい時には「わたしはあんたより年寄りなんだから」や「わたしの方が経験豊かなんだから」などと言い、「もっとはやく歩け」と言ったかと思うと、「あんたはなんでいつもそんなに走ってるんだ?」とか、「なんできゅうに日本人女性みたいになるんだ?」と言う。
ファンの前に出る時に、「わたしの頭はボサボサじゃないかな」などと気軽に聞くので、じつは「いつもぼさぼさじゃん」と思いつつも、わたしが「ミーさんはどんな格好をしてても、いつもとってもハンサムです」と言うと、いきなり照れて赤くなる。
疲れた疲れたというので、「肩を揉んであげましょう」などと言うと、「わたしは妻を愛している」などと、ちょっとピントのはずれたことを言う。
去年の2月には、インターネットでミーさんの名前を検索しても、彼のことを書いている人は、わたし以外に2人だった。けれども、本日ミーさんの名前を片仮名で検索したら、198000ものサイトが出て来た。びっくりした。
日本で沢山の、沢山の、ミーさんファンに会った。
ミーさんは、ファンのみなさんと握手をして、写真を撮って、おしゃべりをした。とっても喜んでいた。
日本人女性の多くは控えめで、手も差し出せない、声も掛けられない、目も見れない。。。という人もたしかにいたが、わたしはできるだけそういう人にこそ声を掛けて、「何かお伝えすることはありませんか」とうながしてみた。
「XXのチョコレートが好きだった」「去年も食べた」「今年はじめて」「お父さんにあげる」。。。女の子たちのどんな言葉も、すべてとっても嬉しそうに聞いていたし、家族づれや、子供や、男の子が来ると特に喜んでいた。
来年は、ファンのみなさんが、もっとそばにきて、わたしに「ちょっと通訳してもらってもいいですか?」と言ってくださることを祈る。そうしてくれたら「働いてるのは自分だけだ」とミーさんに言われることもなくなるだろう。
じきに、ミーさんの、今あるフランス語のサイトを、日本語に翻訳させてもらおうことになっている。報酬はチョコレートということになっているので、がぜん張り切るのヨ〜〜。
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