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とてもよいお天気。JPが屋根の修理をしている。
秋にJPが取り付けた天窓から、屋根の上に上ってみた。
この辺の町家は高い塀に囲まれていて、お隣近所の裏庭なんて見たこともない。お隣のピエロさんのお宅には広大なお庭がある。南西向きのとっても良いお庭だ。
我が家は昔、ピエロさんのご両親が住んでいた家だそうだ。売買契約の時に、始めてこの家が売りに出された日の記述があって、そこには102年前の日付が出ていた。だから、建てられたのはもっとずっと前だ。
ピエロさんの庭には、立派な、たいへん立派な桜の木がある。しかも、この桜の木にはサクランボウがたわわに実る。うちの二階からは上の方しか見えないけれども、屋根にのぼったらピエロさんちの大きな庭が見えた。
今年は誰も、あの桜の木に登ってサクランボウをちぎる人がいない。ピエロさんは桜の花さえ見ることができなかった。
2年前の4月8日に、父も逝ってしまった。
お釈迦様のお誕生日で、岡山後楽園では花祭りをやっていると、岡山でおぼうさまをしているメル友が、教えてくれた。
フランスではキリスト様の復活祭だそうだ。
子供たちがいないので、今年はチョコレート探しも、豪勢な料理もしなかった。カレーライスにした。これで二日は料理しなくて済む。JPは屋根裏で働き、たまに屋根の上ですごい物音を立てている。静かな町にJPの金づちの音が響き渡る。
私は、20日までに提出しなければならない翻訳にかかりっきりだ。
なんでこんなお話を選んでしまったんだろうと思い、泣きながら訳している。
仕事が辛くて泣いているんじゃない。物語があまりにも悲しいので、仕事にならないほど泣いている。
J'ai peur de ne pas t'avoir dit assez souvent combien je t'aimais.
Je crois qu'on ne pense jamais a le dire assez a ceux qu'on aime.
という一文が、この本の2ページ目にあって、この部分が、この本の一番のポイントで、私を泣かせる大切な言葉だ。
ここがうまく訳せないものだから、あとに続く113ページも、行き詰まっている。。。
さっきの文章をてっとり早くいうと、
書いた本人は、亡くなった人に対して、愛していると言い足りなかったのではないかと思っていること。それから、人というのは、愛しているという気持ちを伝えることなど、別れが来る前には考えもしないんだ、ということ。
おじいちゃんが亡くなる前に初めて彼の存在を知り、やっと彼に会って、ほんの少しの間だけおじいちゃんと過ごすことのできた少女のおはなしだ。ノエミとゾエに通じるのだ。
子供たちがいたら「おぼうさま いただきます」と言ってくれただろうが、今日は一人でお線香を上げた。
合掌
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